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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

今年度を振り返って~長者原園地編~ 【くじゅう地域】

2020年03月30日
阿蘇くじゅう国立公園 大島 将貴

 こんにちは。今年度も残すところあとわずかとなりました。毎年この時期、阿蘇くじゅうでは野焼きのシーズンを迎えています。野焼きが終わるとキスミレが草原に顔を出し、春を感じさせてくれます。そして、野焼き後の黒色の草原が新緑に変わる頃には、山開きを迎え登山シーズンに入っていきます。来年度は大分県で山の日記念イベントが予定されており、各機関準備を進めているところです。

 そんな来年度を迎える前に、今年度くじゅうではこんなことありましたというのを振り返ってみたいと思います。

 まずは、タデ原湿原。

 タデ原湿原では特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウの駆除活動を行っています。

 過去記事 http://kyushu.env.go.jp/blog/2017/08/post-359.html

 環境省としては平成22年度からグリーンワーカー事業でこちらの支援を行っているのですが、今年は抜根、野焼きの効果が成果を見せ始め、駆除活動に一筋の光が差した一年でした。既に来年度に向けた話し合いも行い、少しずつ動き出しています。駆除活動では、根絶と見られる箇所でもモニタリングを続けており、息の長い活動ですが今後も地域と協力して活動を行っていきたいと思います。

 

▲持ち出さない用に長靴の清掃            ▲調査区を設けて比較検討

 

 もう一つは、タデ原湿原における松の木の伐採です。野焼きによって保たれている草原ですが、松やクヌギの中には野焼きに負けず成長していく木が出てきます。昔はそういった樹木を焚き物や炭に利用していましたが、現在その利用は減少しています。今回は園地利用者の眺望を確保すると共に、湿原の森林化の進行を防ぐことを目的とし、大きくなった松の伐採を行いました。

   

▲Before                      ▲After

  

▲Before                      ▲After

 次に、長者原園地の施設についてです。トイレ、歩道の補修、看板の多言語化を行いました。

 トイレについては洋式化、配管の交換、ペーパーホルダーの増設を行いました。配管の関係で臭気が上ってくる状態でしたが、便座交換、配管の変更により改善されました。

  

▲Before                      ▲After(トラップ付便器で臭気の改善)

 

▲Before                     ▲After

 園地の舗装については、陥没箇所の修繕、点字ブロックにも破損が見られたため補修を行いました。

 

▲Before(一部陥没が見られます)           ▲After

 

 

▲Before(全体に欠損が見られます)         ▲ After

 

 今回記事にしたことはほんの一部で、実際には草刈りや清掃等、地域の方々の協力によって長者原園地は保たれています。来年度も地域の方々と協力しながら長者原園地の維持管理につとめていきたいと思います。

 次回は、くじゅう連山の登山道について振り返ります。