アクティブ・レンジャー日記
身近な野鳥を観察!バードウォッチングin市民の森 【出水地域】
2018年06月08日こんにちは!出水自然保護官事務所のアクティブ・レンジャー、本多です。
今回は、6月2日(土)に小原山市民の森で実施した野鳥観察会(出水市共催)の様子をお伝えします。
出水自然保護官事務所では、これまでに身近な野鳥や出水のツル類に焦点をあてた観察会を実施してきました。今回の観察会では、夏の渡り鳥(夏鳥)の季節であること、また多くの野鳥が繁殖期を迎えていることから、「夏鳥」と「鳴き声(さえずり・地鳴き)」を主なテーマとしました。
観察会では、まず野鳥の渡りの区分(留鳥・夏鳥・冬鳥)と鳴き声(さえずりと地鳴きの違い)について紹介・解説し、次に市民の森を実際に散策しながら野鳥を観察しました。
<観察会の様子>
▲双眼鏡を使って野鳥観察!
このポイントではリュウキュウサンショウクイ、エナガ、シジュウカラ等が現れました。動きまわる野鳥を双眼鏡の視界におさめることは想像以上に難しいことですが、その分うまく観察できた時の感動も大きく、参加者の方々からは「いたいた!」と感嘆の声が起こっていました。
▲市民の森の上谷池にて。
コゲラやメジロ、コジュケイのさえずりが聞こえました。冬にはオシドリをはじめとするカモ類も観察できます。
<観察会で確認できた野鳥>
▲リュウキュウサンショウクイ
リュウキュウサンショウクイはサンショウクイの亜種で、出水では一年中、観察することができます。今回の観察会ではこのリュウキュウサンショウクイが多くみられ、「ヒリリリ、ヒリリリ」というさえずりがよく響いていました。
▲ヤマガラ
身近な山林で見られるスズメ大の小鳥です。山の雀(スズメ)と書いて山雀(ヤマガラ)です。「ツーツーピーン、ツーツーピーン」等とゆったりした声でさえずっていました。
▲ホオジロ
こちらも身近な環境で見られる野鳥です。目の下(頬)の白い模様が名前の由来になっています。さえずりは「一筆啓上つかまつり候」等と聞きなされます。
▲野鳥の他にもサワガニ(左の写真)やニホントカゲの日光浴、さらには鮮やかな紺色が目を惹くシーボルトミミズ(右の写真)を観察することができました。
2時間ほどの観察で合計18種の野鳥を記録し、そのうち夏鳥はツバメとホトトギスの2種でした。残念ながらこの日はアカショウビン、キビタキ、サンコウチョウ等の代表的な夏鳥を観察することができませんでしたが、代わりに多くのさえずりや地鳴きを聞くことができました。参加者の皆さまからは「想像以上に様々な野鳥がいて驚いた」、「野鳥のかわいい声がきけて良かった」、「ヒヨドリが思ったより大きいことに気付いた」との感想を頂くことができました。
初夏を迎えてから、夏鳥の渡りやさえずりを確認する機会が多くなっています。皆さまも双眼鏡を片手に身近なフィールドへ出かけたり、あるいはベランダから野鳥の声に耳をかたむけたりしてみてはいかがでしょうか。この季節ならではの野鳥の意外な一面を発見できるかもしれません。