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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

公園探鳥のすすめ

2025年03月31日
出水 中島 楽喜
出水ではレンゲソウをはじめとした花々が咲きはじめツバメも飛来しすっかり春の様相です。
春を感じられる出水の保護官事務所近くで見られた野鳥についてお届けします。

出水自然保護官事務所ってどこにあるの?

出水市の施設であるクレインパークいずみというツルの博物館の一室を間借りして事務所を構えています。
博物館の敷地内には開けた草地やそれを取り囲む木々、そして水場があり、敷地のすぐ隣には米ノ津川と田んぼが広がっており多くの野鳥が見られます。

どうやって野鳥を探せばいいの?

まずは、川辺にてカモやサギなどの大きな鳥を探してみましょう。
川のへりや中州を探すのがポイントです。
米ノ津川をクレインパークいずみから上流に歩くと堰があり冬期はヨシガモやカルガモ、オオバンが観察しやすいです。
次は、公園の草地でエサを探している小鳥を探してみましょう。
木や藪など逃げ込める場所がすぐ近くにある草地は小鳥たちにとって安全に採餌できる場所でよく採餌している姿が見られます。
小鳥類は近づくと逃げてしまうので気持ち多めに距離をとって観察することをおすすめします。
最後に鳴き声を頼りに探してみましょう。
春には藪を探してみるとアオジやウグイスの姿を見ることができます。

見られた野鳥の紹介

・アトリ

 
数百羽単位の群れで過ごしていることが多いですが、この日は
3羽だけでカワラヒワとともに過ごしていました。
春先になると小さな群れで過ごすものが多くなるそうですから
アトリの様子からも季節の変化を感じることができます。

・カシラダカ

 
冠羽が立って見えることが名前の由来です。
バンディングなどの調査から個体数の減少が指摘され、2016年版のIUCNレッドリストにて絶滅危惧Ⅱ類(VU)に位置づけられました。
 

・ナベヅル

 
田んぼで二番穂を食べていました。
10羽ほどの群れの中にクロヅルも1羽混じっていました。
北帰行が始まって2ヶ月ほど経った3月末時点では、300羽ほど確認されています。
アオバトやトラツグミなど、人気の野鳥が観察されることもありますのでクレインパークいずみにお越しの際は屋外も気にしてみてはいかがでしょうか。