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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

漂着ごみはどうなるの?

2025年01月31日
五島 片山 美希
こんにちは!
五島自然保護官事務所の片山です。
少し暖かくなってきたかと思えば、先日雪がちらほらと降りました。
風も冷たく、福江島は暖かいと思っておられる方もいらっしゃいますが、意外と寒いです。
 
先日NPO法人木野環境により海洋プラスチックごみ再資源化実証実験の見学会が福江島において行われるという案内があり、今後の活動に活かせる部分も多いと思い参加させていただきました。
 
福江島は対馬暖流の影響もあり、漂着ごみがとても多いです。
今回は海岸でよく見られるブイなどのいわゆる「漂着ごみ」を廃棄せず、新たな価値を与えて再利用する「アップサイクル」ができるように、再資源化するまでの過程の一部を見学させていただきました。
 
漂着ごみの中でも今回使用する物はポリエチレン・ポリプロピレンの素材の物です。
例えば、よく漂着する物では、ブイ、コンテナ、ポリバケツ等があげられます。
ブイの中でも素材がポリエチレン・ポリプロピレンではなくABS樹脂のものもあるので、仕分けをする方が見極めたり、機械で測定したりして選別を行います。
 
 
海洋プラスチックごみ①
 
海洋プラスチックごみ②
 
今回再資源化できないもの
 
機械にて素材を判別している様子
選別した物を機械で破砕します。
破砕することでかさを約8分の1に減らすことができ、運搬費用を減らすことができます。
 
 
破砕する機械(ミラーに注目)
 
破砕された海洋プラスチックごみ
破砕した海洋プラスチックごみにABS樹脂等の素材が混入していないか再度選別し、洗浄・乾燥され、ごみ袋や椅子、ボールペン、コースターなど様々な物に生まれ変わります。
 
 
 
福江島では産業廃棄物処理施設がないため、漂着ごみ等は本土へ運ばれ処分されています。
今回の見学会で海洋プラスチックごみを再資源化に向けた検討が進められていることを知り、島内の課題解決の助けになるように感じました。
 
椅子やコースターなどは世界に1つしかない物ができあがるので、「環境に優しい自分だけの特別な物」を私も欲しいと思いました。
 
西海国立公園が抱える問題としても漂着ごみの現状やアップサイクルといった取組が全国的に広がっていっていることも漂着ごみを使った工作体験等のイベントを企画するなどして伝えられればと思います。