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アクティブ・レンジャー日記
九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。 アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。
雪化粧の雲仙岳
2025年01月17日
雲仙
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1月17日に雲仙岳山頂付近の登山道の巡視を行いました。その時の様子をお伝えいたします。
ここ数年は、暖冬傾向でしたが、今冬は、低温状態が続き、雲仙岳山頂でも積雪が解けることなく、白く雪化粧しています。
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今年は、降雪で登山道へ続く循環道路や国道が通行止めになることも数日ありましたが、この日は、循環道路の通行止めが解除され、仁田峠駐車場まで車で来ることができました。
妙見岳展望所まで来ると、銀世界で、この先の登山道も積雪が予想されるため、ここでアイゼン(滑り止め)を装着し、気持ちを引き締めて出発します。
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妙見岳展望所付近の枯木には霧氷が輝いていました。地元の雲仙温泉では「花ぼうろ」と呼ばれています。霧氷は、空気中の過冷却された水分が強風で樹木にたたきつけられ着氷したもので、樹木に白い花が咲いたように見えます。気温が低い日は日中も溶ける事無く見ることができます。
天気に恵まれ、青空と花ぼうろの白のコントラストがとてもきれいです。
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花ぼうろのトンネルを進みます。花ぼうろの風景を満喫しつつ、氷と雪で滑りやすくなっている足元に注意して先に進みます。
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途中、標識や看板を磨きつつ、山頂付近(立岩の峰)まで来ました。周囲は霧に覆われ、かすかに平成新山の山肌が見えます。
ここで、お昼休憩ですが、一面氷と雪です。冷たい雪の上に腰を下ろし、お弁当をいただきました。冬の雲仙岳登山にはウレタンかエアマットの座布団があるとよいなと思いました。
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お弁当を食べ終わる頃には、霧が晴れ、青空に平成新山の山肌がくっきりと現れました。気分転換して普賢岳山頂を目指します。
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普賢岳山頂も雪で真っ白でした。奥に雲仙岳では最高峰の平成新山が鎮座しています。さっきまでの青空はもうありません。山の天気の変化は早く、林中の登山道は薄暗くなってきました。
皆さん、天候の急変に対応できる装備をしっかり持参して、無理はせず、冬の雲仙岳を楽しんでください。