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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

五島市市制施行20周年記念~大瀬埼灯台へ行ってみよう~

2024年10月08日
五島 片山 美希
10月6日に開催予定だった環境省と五島市共催イベントの「五島市市制施行20周年記念~大瀬埼灯台へ行ってみよう~」は当日天候不良の関係で中止となりました。
参加を楽しみにされていた方には申し訳ないです…。
 
大瀬埼灯台は断崖絶壁の上に立つ白色の灯台は青い海とのコントラストがとても綺麗で「日本の灯台50選」、九州本土で最も遅い時間に夕陽が沈むことから「日本の夕陽100選」にも選定されています。毎年大晦日に大瀬埼展望所付近で “最後の夕陽鑑賞会”も開催されます。
 
朝ドラの「舞いあがれ!」や映画の「悪人」等でも撮影された大瀬埼灯台は、様々な歴史と共にありました。
 
大瀬埼灯台は明治9年に工事を始め、明治13年に完成し、老朽化もあり昭和46年に建て替えられました。
以前は電柱、電線がありましたが、平成21年に太陽光パネルが設置され、灯台の光源もLED化されたことで無電柱化となり景観もとても素晴らしいものです。

 
 
 
灯台にある石碑は何かと思い、五島観光歴史資料館へ行き玉之浦町の郷土史を読むと西海国立公園に関する石碑ということがわかりました!!


 
 
 
石碑に書いてある文字は、昭和30年に西海国立公園が誕生し、当時国立公園審議会長であり詩人でもあった下村海南博士が詠まれたものでした。
「日の本の 西のはたてと なりにける 大瀬が埼に 立ちつくしたり」
そそり立つ断崖の上に立てられた白亜の灯台の側で、遙かなる水平線に息をのんで立ちつくす様子が目に浮かびます。
 

 
今、大瀬埼灯台付近では「シマシャジン(島沙参)」が咲いています。

 
 
 
シマシャジンは近い将来野生での絶滅の危険が高い「絶滅危惧ⅠB類」に選定されており、西海国立公園の特別地域内において採取などを規制する指定植物でもあります。シマシャジン以外にも指定植物となっているものがあり、詳しくは下記HPよりご確認ください。
このシマシャジンは福江島、平戸、済州島の世界で3ヶ所しか見ることが出来ません。
地元の人の話によると昔よりもシマシャジンが少なくなっていると聞きます。
シマシャジンが減少している原因は不明ですが、観察する際は歩道から外れることがないようご配慮いただきますようお願い申し上げます。
福江島にとっても大切な宝として大切にしていきたいですね。