アクティブ・レンジャー日記
九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。
ヤマネコをたずねて三千里
2024年09月05日
対馬
こんにちは。食欲の秋の到来に心躍る南です。
私は焼き芋に目が無く、朝昼焼き芋で食事を済ませている時期もありました。ねっとり系なら、冷やしたり、ちょっと凍らせてもまた違った食感が楽しめて美味しいですよ。是非お試しあれ。
私は焼き芋に目が無く、朝昼焼き芋で食事を済ませている時期もありました。ねっとり系なら、冷やしたり、ちょっと凍らせてもまた違った食感が楽しめて美味しいですよ。是非お試しあれ。
私は対馬でARになり2年半が経ちますが、野生のヤマネコに遭遇したことがありません(保護収容除く)。ヤマネコの仕事をしてるくせに!!と思われるかもしれませんが…
対馬は日本で3番目に大きな離島であり、属島含まず約696km²。東京23区よりちょっと広いくらいの面積です。そしてそこにいるヤマネコの生息数は現在90~100頭程度。かなりのレアキャラであることが何となく伝わるでしょうか。対馬の地元住民の方でも、「生まれてこの方見たことない!」という方も少なくありません。
今回は、そんなヤマネコの目撃情報のお話です。
対馬は日本で3番目に大きな離島であり、属島含まず約696km²。東京23区よりちょっと広いくらいの面積です。そしてそこにいるヤマネコの生息数は現在90~100頭程度。かなりのレアキャラであることが何となく伝わるでしょうか。対馬の地元住民の方でも、「生まれてこの方見たことない!」という方も少なくありません。
今回は、そんなヤマネコの目撃情報のお話です。
とっても役立つヤマネコ目撃情報
地元住民の方や、佐護のヤマネコセンターへ来館された方、観光で対馬に来られた方などから時々、「ヤマネコらしき動物を見た!」という情報を頂くことがあります。
これが実際にヤマネコの傷病個体の保護や死体収容に繋がったり、生息状況調査等に役立つことがあるため、とても大切な情報なのです。(これまでに目撃情報をお寄せいただいた皆様、本当に有難うございます!)
特に、下島は近年生息確認地域が少しずつ拡大しているものの、上島に比べるとまだ安定して生息しているとは言えない状況であり、未だ生息確認がされていない地域や、かつて生息確認があったものの、もう何年も新しい情報が得られていない地域もあります。
そんな地域で目撃情報を頂いた時、私たちはその情報を手がかりに生息状況調査を行います。
これが実際にヤマネコの傷病個体の保護や死体収容に繋がったり、生息状況調査等に役立つことがあるため、とても大切な情報なのです。(これまでに目撃情報をお寄せいただいた皆様、本当に有難うございます!)
特に、下島は近年生息確認地域が少しずつ拡大しているものの、上島に比べるとまだ安定して生息しているとは言えない状況であり、未だ生息確認がされていない地域や、かつて生息確認があったものの、もう何年も新しい情報が得られていない地域もあります。
そんな地域で目撃情報を頂いた時、私たちはその情報を手がかりに生息状況調査を行います。
いざ調査へ
つい先日、下島某所でヤマネコを目撃したという情報を頂きました。その地域はもう10年以上生息情報が得られていない地域。善は急げということで、私たちは早速調査に繰り出しました。
目撃情報のあった地点の周辺の痕跡調査(ヤマネコのフン探し)と、自動撮影カメラの設置を行います。
目撃情報のあった道路沿いを歩き始めて1分…
「あ~っ!!!」
目撃情報のあった地点の周辺の痕跡調査(ヤマネコのフン探し)と、自動撮影カメラの設置を行います。
目撃情報のあった道路沿いを歩き始めて1分…
「あ~っ!!!」
なんということでしょう、あっという間にヤマネコのフンらしき物体を発見してしまいました。一見、ただの白い小石のように見えますが、よく見ると中には動物の毛や骨、爪っぽいものが入っています。新しいフンはもっと暗い色をしていますが、古くなると白っぽくなるのです。
ただし、このフンが確実にヤマネコのものであると確認するためには、DNA分析に回さなくてはなりません。アルコールボトルに入れて、持って帰ります。
ただし、このフンが確実にヤマネコのものであると確認するためには、DNA分析に回さなくてはなりません。アルコールボトルに入れて、持って帰ります。
ホシはすぐそこに居る─
早くも収穫がありテンションの上がった私たちは、意気揚々とカメラの設置場所を探しに再び歩き出します。
近くに良さそうな林を見つけました。
早くも収穫がありテンションの上がった私たちは、意気揚々とカメラの設置場所を探しに再び歩き出します。
近くに良さそうな林を見つけました。
新しくカメラを設置する際は、地形図を見て、尾根や谷の繋がり、森、川、田畑など、周りの環境からヤマネコが居るとしたら通りそうな場所を予測したり、歩きながら他の生き物も含めた痕跡がないか(=そもそも動物が利用できるような環境なのか)を見つつ、調査するのは人間なので、調査するのに危険が伴うような場所やあまりにもアクセスの難しい場所は避け、車の通行や風に揺られた草で無駄な撮影が増えないような場所、角度を探し…案外、考慮しなければいけないことは枚挙にいとまがありません。
折角調査を行うので、より良いデータが取れるよう熟考して設置場所を選びます。
折角調査を行うので、より良いデータが取れるよう熟考して設置場所を選びます。
歩いているうちに、テンのものと思われるフンや…
鳥の巣を発見。※空き家です。
よく出来ていて感心してしまいます。
よく出来ていて感心してしまいます。
他にも、イノシシの掘り起こし跡やシカのフンなど、動物の気配がプンプンするこの場所に、期待に胸を膨らませてこの日は調査を終えました。
この後も、様子を見ながら月一回の調査を数か月続けます。結果が楽しみですね。
この後も、様子を見ながら月一回の調査を数か月続けます。結果が楽しみですね。
★ヤマネコかも?と思ったら★
もしも、対馬でヤマネコらしき動物を見かけたら、確信が持てなくても構いません、是非0920-84-5577(はよここならせならせ)にお電話を。
ヤマネコの特徴はこんな感じです↓
もしも、対馬でヤマネコらしき動物を見かけたら、確信が持てなくても構いません、是非0920-84-5577(はよここならせならせ)にお電話を。
ヤマネコの特徴はこんな感じです↓
そして、目撃情報をお寄せいただいた方には、ちょっとしたお礼の品もお渡ししております。(右上の丸いステッカーは目撃情報をお寄せいただいた方にだけお渡ししているものです(全4種))