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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します.
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

カルバート清掃作業

2024年07月30日
対馬 金子 涼太朗
カルバート内部の様子です。一口にカルバートといっても、形状や大きさはさまざまです。
 みなさま、こんにちは、対馬自然保護官事務所の金子です。 今回はカルバート清掃についてご紹介します。
  カルバートと言っても、馴染みのない言葉かと思います。カルバート【culvert】とは暗渠(あんきょ)のことです。暗渠と言っても馴染みがないですよね。 暗渠とは『地下に設けた(下)水路(三省堂 新明解国語辞典 第五版P.47より)』のこと。道路の下などを通っている写真のような場所です。
これは、カルバート清掃を行なった場所ではありませんが、実際にヤマネコが道路下のカルバートを利用している写真です。
 このカルバートですが、本来の水路としての役割だけでなく、ツシマヤマネコ(以下ヤマネコ)を含む野生動物の生活路としても役に立っています。道路を横断する形のカルバートならば、道路上を渡らずに、動物が安全に道路下を行き来できます。
スコップなどで土砂を人力で取り除いていきます。
 しかし、台風や大雨が起こると、このカルバートが土砂や倒木によって塞がってしまい、ヤマネコが使いづらくなってしまいます。そうすると道路上を渡るしかなくなってしまい、交通事故の危険性も出てきます。 そこで、このカルバートを定期的に清掃して、ヤマネコがいつでも利用できるようにしてあげます。
左右で同位置から撮影した清掃作業の前と後です。見違えました!
 今回の清掃は地元の企業「十八親和銀行」の職員のみなさまと、ボランティア団体「ツシマヤマネコ応援団」のみなさまが手伝いにきてくださり、島内でも特に荒れてしまっているカルバートを清掃しました。熱中症対策に休憩をはさみつつ作業すること1時間半、右の写真のようにカルバートをふさいでいた倒木や土砂がなくなり、ヤマネコが通りやすくなりました。
 
 ヤマネコの通り道となることが清掃の目的なので、仕上げにあえて少し、土や丸太を残すことで、両岸へ上がりやすくしています。
 参加されたみなさまのご協力のおかげです。この場を借りて改めてお礼申上げます。                              

 







対馬自然保護官事務所 金子