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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

火山がつながってできた島へ

2024年06月07日
五島 片山 美希
こんにちは!
五島自然保護官事務所の片山です。
先日嵯峨島へ巡視に行きました。
  
嵯峨島は右の男岳(150m)と左の女岳(129m)の2つの火山がつながって出来た島です。
島全体が国立公園区域に指定され、うち西海岸地区は五島列島で唯一の特別保護地区に指定されています。
嵯峨島は福江島の三井楽半島の西約4㎞沖に浮かぶ、面積約3.2㎢のひょうたん形の島です。
福江島の貝津漁港から定期船で15分もせず、嵯峨島へ上陸することが出来ます。
現在は嵯峨島に90名ほど住んでおり、商店等はありません。
そのためお昼ご飯はお弁当を持参するか、お昼の定期船で福江島に戻るかになります。
観光の際にはご注意ください。
 
 
案内板
 
千畳敷(遠)
 
千畳敷
嵯峨島の千畳敷は青の洞窟のような場所もあり、個人的にとてもおすすめのスポットです。
  
五島列島ではアコウの木は多く見られます。
アコウの木は別名で「締め殺しの木」と呼ばれるほどとても生命力のある木です。
五島自然保護官事務所のある福江島にもアコウの木はありますが、嵯峨島のアコウの木は圧倒的な存在感があります。
火山からの噴出物が堆積し、縞模様になった崖に、アコウの根が複雑に張り付き下に垂れている状態です。
 
女岳へ行く途中に様々な植物にも出会いました。
 
サイヨウシャジン
 
ノアザミ(白)
 
クサフジ
女岳山頂から30分ほど歩くと女岳火口展望所があります。
保護官と歩いているとカラスバトを確認することが出来ました。
 
女岳火口展望所へ向かう道中
 
女岳へ向かう道中に見える景色は、髪の長い女の人が両手を組み祈っているように感じます。
女岳に女の人が祈っているように見えるなんて…神秘的ですね。
 
展望所から撮影した火口の様子(遠)
 
展望所から撮影した火口の様子(近)
赤色は火山の噴火によって飛ばされてきた岩石で、灰色は溶岩であり、それらが層になっています。
火山の断面を見ることが出来るのはとても珍しいため、地学的資料にもなっているそうです。
 
港すぐに看板あり
 
嵯峨島教会ルートの登山口
 
登山途中にある看板
現在男岳は残念ながら通行することが出来ません。
まだ男岳に登ることは出来ませんが、大自然の中に人の手を加えることの重要性を感じました。