九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

令和6年度平成新山防災視察登山

2024年05月14日
雲仙 干野 光幸

仁田峠にて集合


 雲仙自然保護官事務所ARの干野です。
 今回は、5月13日に実施されました平成新山防災視察登山の模様をお伝えいたします。
 視察登山は、平成新山の溶岩ドームの現状を関係機関で共有するため毎年春と秋に行われています。この日も研究機関や消防、警察、行政、報道関係者等、94人が立入が制限されている警戒区域内に入り、大きな溶岩が堆積する山頂まで登りました。

警戒区域内


 11時ごろ警戒区域内に入り一休みです。 当日は朝から強風が吹いていますが、山頂付近に雲はかかっていません。

巨大な溶岩


 いよいよ大きな溶岩が堆積する斜面を登っていきます。普段、人が立ち入る場所ではありませんので、道はありません。前の人に続き、ゆっくりと慎重に手足を使って登っていきます。

平成新山山頂


 山頂直下に到着しました。空は晴れていますが、北風が強く、立っているのもやっとという感じでした。皆さん同じ方向(風下を)向いています。
 予定ではここで火山活動について説明があることになっていましたが、強風のため、風が当たらない場所まで、退避しました。

現状説明


 山頂から少し下った風が除けられる場所で、九州大学地震火山観測研究センター、気象庁、国土交通省から火山活動の現状について説明がありました。火山活動は落ち着いた状態だが、大きな直下型の地震が起きた時などに溶岩ドームが崩落する可能性がある、と説明がありました。

第11ローブ


 風下から第11ローブ側に回りました。眼下には島原市と南島原市の宅地と田畑が広がっています。万が一、崩落したらと思うとゾッとします。
 この麓の南島原市の自治会では定期的に溶岩ドーム崩落を想定した避難訓練が続いているそうです。いつまでも33年前の大火砕流を忘れず、いつか起こるかもしれない災害に備えなければと思いました。