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九州環境局

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

ツルを迎える季節になりました

2026年10月30日
出水 平野 菜々子
こんにちは、出水自然保護官事務所の平野です。
10月21日に今シーズン初のナベヅルの渡来を確認しました!
3羽での渡来ということなので家族かもしれませんね。無事に渡って来られたことを嬉しく思います!
数日後には1000羽を超えていました!
現在、日本の南には台風も発生しています。これから渡りも本格化してくるので、後続のツルたちも安全最優先で渡りを終えてほしいですね。
今回はツルが来る前に行った『目隠し網の設置』と『ツル羽数調査合同発足式』について紹介します。

🐦 目隠し網の設置

10月初めに東干拓地区の休遊地(人工ねぐら)を囲う田んぼで目隠し網の設置を行いました。毎年、休遊地となる土地を農家さんからお借りし、ツルたちが安心して越冬できる環境を整えています。
目隠し網の設置には、人や車の往来(特に車のヘッドライト)によるツル類のかく乱を防ぐ目的があります。

2m以上ある鉄製の支柱を重機で打ち込み、そこにネットを張っていきます。総延長約1.7kmにおよぶ作業です。
ネットは2種類使用します。ほとんどの区間には青色の「防風ネット」を、シーズン中4回ほど行われる羽数調査でツルクラブが計測する地点には黒色の「遮光ネット」を張ります。
ショベルカーのバケットで支柱を打ち込む様子
ネットは上・中・下の3ヶ所を結束線で留める
羽数調査地点の黒いネット
同時進行で、給餌作業や衰弱・死亡個体の回収作業に備えた非常用のゲートも数ヶ所つくります。
ゲートは支柱よりも太い単管パイプを組み立ててつくりますが、使用する道具も慣れないものばかりで大苦戦の作業でした。
インパクトドライバーを使って留め具で固定する
組んだら支柱へ取り付けます
特に「しの」「ハッカー」は使いこなせるようになるまでかなり時間がかかりました。
慣れた方が締めると単管パイプがしっかり固定されるのですが、初めて道具を使うわたしたちには至難の業です。それでも、横で根気強く指導してくださった皆さんのおかげで、なんとか形になりました。
ラチェットレンチの先の細い部分が“しの”になっている。太い針金(番線)を締める道具
冬の間保ってほしいと願いながら締めました
ハッカーは細い針金(結束線)を締める道具(一緒に写っているのは結束線の束)
ハッカーで結束線を締める様子
最後に冬の強い風でネットが煽られないように支柱を支える杭を打ち、マイカ線と呼ばれるテープ状の資材を張ります。杭打ち作業を石原保護官が率先して取り組んでいたのですが、カメラに収めておらずとても悔しいです!ハンマーで杭を打ち込むたび気持ちの良い音を響かせていました。
ポイントはマイカ線をピンッと張りすぎないこと
事前準備も含めて3日間ほどの作業でした。一緒に作業をしていただいたシルバー人材センターやクレインパークいずみの皆さまには大変お世話になりました。
おかげさまで、東干拓地区ではツルを迎える準備が整いました!

網が破れている、支柱が倒れている等ありましたら、出水自然保護官事務所(TEL:0996-63-8977)へご連絡ください。

🐦 ツル羽数調査合同発足式

今年度のツル羽数調査合同発足式が10月15日(木)に行われました。
ツル羽数調査は、鶴荘学園・高尾野中学校の「ツルクラブ」や鹿児島県ツル保護会が中心となって実施しています。
始まりはツル保護監視員と地元の子どもたちによる同好会的な活動で、60年以上にわたって継続されています。調査で得られた結果は、出水市の公式な記録として公表されています。

荒崎地区を鶴荘学園、東干拓地区を高尾野中学校が担当します。
各学校の部長からは、これまで先輩方が積み重ねてきた歴史や、多くの方々の協力があって続いている調査であること、それを引き継ぐ責任について力強い決意表明がありました。
堂々とした発表に、わたしも背筋が伸びる思いでした。この1年、野鳥を見続けてきた成果を発揮できるよう頑張ります!
ツルクラブの部長・副部長の皆さん「羽数調査頑張るぞ!」のポーズ

🐦 お知らせ

 羽数調査当日は午前9時まで利用調整エリアに立ち入ることができません。