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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

自動撮影カメラのデータ回収に行ったら…。

2024年05月20日
対馬 森田 夕貴
今年の4月に対馬自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーに着任しました森田です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
 
今回は、野生生物による自動撮影カメラ破損事件?をご紹介します。
対馬自然保護官事務所では、追跡調査を行っているツシマヤマネコを探すために、ツシマヤマネコが生息している可能性が高い林道沿いや山の中などに自動撮影カメラを複数台設置しています。先日、そのカメラのデータを回収しに行くと、2台のカメラのセンサー部分の窓が割れて壊れていました。
屋外の過酷な環境でも壊れにくい自動撮影カメラがなぜ壊れてしまったのかと思いながら壊れたカメラを持ち帰り、それぞれのデータを確認すると、そこにはカメラを破損したと思われる「容疑者」の姿がありました。
先端が尖ったもので突いたような割れ目があるカメラ(カメラ①)にはどや顔のような顔でカメラを見つめるカラスの写真が複数枚記録されていました。
破損した自動撮影カメラ(右:カメラ① 左:カメラ②)
自動撮影カメラの前を歩き回るカラス①
自動撮影カメラの前を歩き回るカラス②(どや顔のような顔をしている?)
自動撮影カメラの前を歩き回るカラス③(巣材集め中?)
自動撮影カメラの前を歩き回るカラス④
そして、大きな割れ目があるもう1台のカメラ(カメラ②)には、何かがカメラに近づく様子が写っていました。
何かが近づいている写真
カメラに写っていたシカ
カメラに写っていたイノシシ
カメラに写っていたツシマテン
カメラに写っていたアオサギ
カメラ②には、シカやイノシシ、ツシマテン、アオサギなどの野生生物が写っていました。自動撮影カメラは周囲になじむようにカモフラージュされていて、時々設置した私たちでも探すのに苦労しますが、どうぶつたちはその存在を知っていたのかもしれません。
もしかしたら、この中にカメラを壊した野生生物がいるかもしれませんね。
対馬自然保護官事務所 森田