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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

対馬の初夏の風物詩

2024年05月13日
対馬 金子 涼太朗
みなさまこんにちは。対馬自然保護官事務所の金子です。
 
 5月~6月にかけて対馬では田植えの時期です。対馬野生生物保護センターのある佐護地区は対馬でもっとも広い田園地帯となっています。
 田んぼと山々が拡がり、晴れた日は特にとても美しい景観です。私は、毎朝出勤の際に、この景色で心癒やされています。
 実はこの田んぼとツシマヤマネコ(以下ヤマネコ)はとても重要な関わりがあります。
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      直線道路の両側に田んぼが拡がります
         図 ツシマヤマネコの生活と稲の成長
 第一に田んぼではヤマネコのえさとなるネズミ、昆虫、カエルや水鳥等を数多く見ることができ、ヤマネコにとっての格好の狩り場になっています。
 第二にヤマネコが子育てをする時期には丁度田んぼの稲が成長し「隠れ場所・休憩場所」としての役割も果たしてくれます。(右図参照)
そのためヤマネコの田んぼでの目撃情報も多く、昔から地元の人々からは「田んぼで見かけるネコのような動物」ということで『田ねこ』の別名で呼ばれていました。
 
       水田の水面に山陰が映りきれいです
 また、佐護地区ではツシマヤマネコと共生を目指した稲作に取り組んでいる農家さんもいて、えさとなる生き物が多くなるように減農薬による稲の栽培をしたり、子育ての際に隠れ家となるように一斉に刈り取りをせずに稲の植え付け時期を田んぼ毎に変えたりして、ヤマネコとえさとなる生物が暮らしやすい環境を守っています。

 対馬野生生物保護センターでは、農家の方と協力し、田植えや稲刈りのイベントに参加もしています。その様子もまた後日ご紹介できればと思います。それでは、今回はこの辺で!




 
対馬自然保護官事務所 金子