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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

慶良間諸島のひとつ阿嘉島で自然観察会を開催しました

2026年04月10日
慶良間 村石健一
こんにちは。慶良間自然保護官事務所の村石です。
去る2月28日に当事務所主催で「阿嘉島で身近な自然・生き物たちを探してみよう!」をテーマに自然観察会を開催しました。
講師は自然環境調査と自然ガイドとして、沖縄の動植物を長年見続けてきたNatural box株式会社の石神安弘さんです。
参加者は地元の成人の方や小中学生、幼稚園児とその保護者など12名が集まり、何が見られるかワクワクしながら探索に出発しました。

身近な自然の手始めは海岸でよく見られるモンパノキという植物です。
この樹木の葉はその昔にトイレットペーパーの代用品に使われていたという説明がありました。
はじめはみなさん半信半疑の様子でしたが、葉っぱに柔らかい毛が一面に生えているのを観察して何となく納得していたようです。
緊急用に何枚か確保している人もいました(笑)

樹木を観察する人々
写真1:出発してすぐのモンパノキの下で
次は一転して、身近にいるのに見つけるのがとても大変な生き物の紹介です。
実物を見せてもらったのですが、それが生き物かどうかぱっと見ではわかりません。
ルーペも使ってよく見たところでその正体に気づき、みんな驚きの声を上げていました。
観察したのは殻の大きさが2㎜足らずのスナガイというカタツムリの仲間でした。
この大きさでは周りの砂粒と見分けがつかず、わからないのも無理はありません。
先島諸島の広範囲に分布していて、砂浜の落葉や倒木、石の下で見つかるそうです。
この後みんなで大捜索をしましたが、結局見つけられたのは講師の石神さんだけでした。
 
ルーペで生き物を観察する中学生たち
写真2:極小のカタツムリの仲間をルーペで観察する中学生たち
極小カタツムリの仲間を探しているところ
写真3:石神さんに教えてもらいながら、スナガイを探す園児と参加者のみなさん
この日は天気も良く汗ばむくらいの気温だったため、飛翔するチョウ類が多く見られました。
近くで観察しようと、地元から参加した中学生が捕虫網を借りて捕まえようとしましたが、自由に飛翔するチョウに翻弄されていました。ランダムに飛ぶチョウ類の動きを見切るのは難しいですね。
その一方で幼稚園年長の男の子は飛来するチョウ類の名前を「リュウキュウアサギマダラだ!」とか「シロオビアゲハが飛んできた!」と次々に言い当てて、講師の石神さんをはじめ、参加した大人たちを驚かせていました。
 
チョウを見る幼稚園児
写真4:足を組んで座ってくつろぎ、捕ってもらったオオゴマダラを観察する幼稚園児。大物感が漂ってます(笑)
今日のもうひとつのトピックスはにおいでわかる生き物でした。
ある場所で石神さんが落ち葉や石の上で見つけた小さな生き物を手に取り、みんなににおいをかがせていました。
わからない人もいましたが、多くの人は甘い香りを感じたようです。
この小さな生き物の正体はアシジロヒラフシアリというアリの仲間でした。
その名の通りに足の先端が白く、見た目でも識別可能とのことですが、この独特のにおいでアシジロヒラフシアリということがわかるそうです。
みなさん思い思いに捕まえてにおいを確かめていました。

アリのにおいを嗅ぐ参加者
写真5:アシジロヒラフシアリを教える石神さんとにおいを確かめている様子
道端でも観察#集落の小道でも自然観察
写真6:人の生活のすぐそばで、いろいろな自然を探しました
ほかにも植物の毒について学んだり、トカゲ類やヤモリ類などを見つけたりと、あっという間に終わりの時間になってしまいました。

最後は、講師の石神さんに「こんな短い時間でもいろいろな植物や動物を見ることができた。ちょっと気にするだけでわかることはたくさんある。これからも身近な自然を見続けて感じて欲しい」と締めくくっていただきました。

 
 
皆さんも、身近な自然を意識してみませんか?