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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

令和4年度子ども地域学習発表会【阿蘇地域】

2023年02月22日
阿蘇 アクティブレンジャー 藤田
令和5年2月10日に、「令和4年度子ども地域学習発表会」が開催されました。この発表会は、阿蘇地域の草原に関わる団体の連携事業(※1)として行われるもので、今回で5回目です。
 
草原保全活動センター草原学習館と、各学校をリモートで繋ぎ、発表を行いました。観覧席には、阿蘇草原再生協議会の草原環境学習小委員会の皆さん。
 
まず初めに、熊本県立大津高等学校 放送部が制作した「Don't stop 野焼き」を放映。
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映像鑑賞
野焼きに関するニュースをきっかけに、野焼きや草原の維持管理について、地元の方へのインタビューや体験などを映像にまとめられました。九州総合文化祭2022にて入賞された作品です。
 
1番目の発表校は、阿蘇市立阿蘇西小学校4年生で、タイトルは
 「阿蘇の草原 千年の~結(ゆい)~プロジェクト」です。
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結プロジェクトの発表
千年以上続く阿蘇の草原について、1年かけて草原やジオパーク学などの体験から、テーマごとに調べ学習を進め、阿蘇の未来のために自分たちができることを発表していただきました。
 
2番目は、南小国町立南小国中学校2年生(世界文化遺産教育モデル校)です。タイトルは、「なぜ草原を守るのか?~放牧・生物・水・野焼きの視点から~」です。
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中学生の発表
社会科(地理的分野)の「九州地方の自然の特色や人々との関わり」の単元において、地域の草原を保全維持することの意義やメリットについて考え、学習を深めた成果を発表してくれました。
 
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中学生との交流
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応答
その後、小学生と中学生の交流も行うことができ、とても有意義な発表会となりました。
 
傍聴者からは、
・子どもたちの発表を見て感動した。これからは誇りを持って野焼きをしたい。
・とてもよくまとめられており、次のアクションにつながることを考えられている。
・阿蘇と有明海との交流をしてもらえたことが、とてもうれしかった。ノリミスを納めていた時のことを思い出した。途絶えてしまったことを残念に思っていた。
などの感想が寄せられました。
 
これからも、地域学習の一環で、草原やジオパーク、農業、文化などの連携した学習を進め、地域の方々と児童・生徒をつなぐために、発表する場を提供できればと思います。
 
 
(※1)<構成団体>
阿蘇草原再生協議会、阿蘇草原再生千年委員会、阿蘇地域農業遺産推進協会、阿蘇ジオパーク推進協議会、世界文化遺産登録推進協議会
 
 
【子ども地域学習発表会とは】
これまでの発表校
平成30年度(一の宮小学校、高森中央小学校、阿蘇高校)
令和元年度(りんどうヶ丘小学校、内牧小学校、阿蘇高校)
令和2年度(阿蘇小学校、高森高校、東海大学)
令和3年度(阿蘇西小学校、南阿蘇中学校、阿蘇中央高校)
令和4年度(阿蘇西小学校、南小国中学校)
 
目的:阿蘇地域内の学校が行っている草原環境学習やジオパーク学習などの地域学習の成果を、一つの会場で児童生徒自身が発表することにより、①学校の外に対して、成果をアウトプットし、また学校の外との交流を持つことで、新学習指導要領でも求められている「社会に開かれた教育課程」の一環となること、②学習を通して、これからの阿蘇地域を支える児童に、かけがえのない阿蘇地域の自然環境や歴史・文化などの魅力の発見を促すことで、郷土への誇りと愛を育むことを目的としています。