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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

「集まれ、えびの高原サポーター! つつじヶ丘ススキ刈りイベント」

2025年12月13日
えびの 椎葉 美香
こたつが恋しい季節になってきましたね。
こんにちは。えびの管理官事務所の椎葉です。
 
 12月13日(土)に「集まれ、えびの高原サポーター! つつじヶ丘ススキ刈りイベント」が開催されました。
 えびの高原のつつじヶ丘では、ミヤマキリシマの景観維持のため、自然公園財団の公園管理やパークボランティアの活動の中でススキ刈りを行ってきました。しかし、人手不足や植生遷移という自然の変化等を受けて、その景観を維持することが難しくなっています。
 そのため今回は、一般の方や関係者に霧島連山の火山活動と植生の関係性やその価値・大切さ、ミヤマキリシマの景観維持の現状と課題について正しく伝え、ススキ刈り体験やワークショップを通して、その景観維持のあり方について考える初めての試みとして、本イベントを開催しました。
あ
 
 まず、霧島ジオパーク推進協議会事務局の石川さんから、えびの高原の成り立ちについてお話がありました。
 えびの高原は火口に囲まれて盆地のようになっていることや、不動池の北側など溶岩の流れた跡を投影段彩図の立体的な地形のスライドを見ながら説明してくださったので、わかりやすく学ぶことができました。
 また、1991年と2010年の硫黄山の噴気を比較すると1991年は至る所から噴気が上がっており、えびのエコミュージアムセンターの裏にも噴気が上がっていたことに驚きました。
あ
 
 次に自然公園財団の須田さんから、つつじヶ丘の景観維持の取り組みについてお話がありました。
10年前に比べるとススキの伸びが早く、背丈を超えるくらいになるということで普段の草刈りの課題を教えていただきました。
あ
 
 お二人の講話の後は実際につつじヶ丘に移動して、ススキ刈り体験を行いました。
作業を開始すると皆さん集中してススキ刈りをしている様子で、ススキに隠れていたミヤマキリシマが顔を出し、周り一体がスッキリしました。
あ
 
あ
 
 作業後は座学、現地作業を踏まえて、個人の振り返りとグループワークを行いました。
参加者からは人手が必要、大人数であれば作業が早いという感想が多かったです。
 どのような取り組みを行えると良さそうかという振り返りでは、ススキ刈りの必要性を知ってもらう(周知の仕方の工夫)、現状分析や必要な対策を検討する上で有識者にアドバイスをいただくなどが上がりました。
 どのような関わり方ができそうかでは、小学生から高校生まで参加してもらえると心強いサポートになるなどの話がありました。
あ
 
 参加者にとっても学ぶことはあったと思いますが、私も改めて学ぶ機会となりました。
来年のミヤマキリシマの開花状況も楽しみです。
寒い中、活動いただき皆さまお疲れ様でした!