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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

みぃつけた!2025パート8

2025年11月07日
五島 片山 美希
こんにちは!
五島自然保護官事務所の片山です。
前回のみぃつけた!2025パート7以降に出会った植物について紹介したいと思います。
 

カラスザンショウ

枝にも棘があり、小さい株をよく見てみると…葉の裏にも棘があるカラスザンショウ。
まだ私の膝丈程度のカラスザンショウの葉をもむと柑橘系のような爽やかな香りがしますが、その香りの奥には少しピリッとするようなスパイシーな香りを感じました。
カラスザンショウは私の背丈よりも大きくなると、葉の香りも変わるのでしょうか…?
同じ香りだろうと思いながら、大きくなったカラスザンショウの葉をもむと青い香りがしました。
成長するにつれ香りが変わるのかしら…?不思議ですね。

アキノキリンソウ

秋になるとひょっこりと顔を出すアキノキリンソウ。
比較的小さい植物にも関わらず、たくさんの花が固まって咲いているため存在感があります。
アキノキリンソウ、名前にキリン……動物のキリンのように黄色い長い首のように咲く花だからかなぁ?と思いきや、名前はキリンソウに似たような花が秋に咲くためアキノキリンソウとなったとか(諸説あり)。
名前から植物をイメージすることも楽しいですよね♪

センニンソウ

はじめ「センニンソウ」と聞いたときには仙人?草?と思いました。
諸説ありますが、果実の周りにある白い毛のようなものが仙人の髭、髪等に例えられたことからこの名前が付いたとか…。
よく見ると長い毛は仙人の髭にも見える…!と思いつつ、私自身が仙人を見たこともないのですが。
仙人を見てみたいと思いつつ、センニンソウの果実の写真を撮りました。
センニンソウの茎や葉には毒があり、場合によっては皮膚がかぶれたりすることもあるので気を付けてもらえたらと思います。
 
 

ヒヨドリバナ

秋になるとどこでも見かけるヒヨドリバナ。その植物を知ると、「あ!ここにもある!」「あそこにも」と見つけるたびに少し嬉しくなってしまいます。
名前の由来は、ヒヨドリが鳴きはじめる頃(秋)に花が見られるからという説や、花が枯れた後の茎がよく燃える性質から「火をとる」から来たという説もあるそうです。
白色の花を見ることが多いですが、まれにピンクがかった花を見ることができます。
勝手にピンクのヒヨドリバナを見ると私は勝手に「今日は大吉の日!」と思いながらいます。
 
 

センブリ

一昔前テレビを見ていると、芸能人が罰ゲームで苦いお茶(センブリ茶)を飲んでいました。
芸能人がセンブリ茶を飲んでいたのだから…と興味本位で実際に私もセンブリ茶を飲んでみましたが、とっても苦くびっくりしたことを覚えています。
苦いお茶…というイメージのあったセンブリは、とても小さな白くてかわいらしいお花を咲かせます。
あのかわいらしいお花からセンブリ茶…どうしたらつながるのかと不思議に思うほどです。
このセンブリ、実は長崎県では絶滅の危険が増大している種として絶滅危惧Ⅱ類(VU)として掲載されています。
また西海国立公園特別地域内において採取や損傷を規制している指定植物にも選定されています。
 
 

最後に…

西海国立公園の五島列島地域でも、採取や損傷を規制している指定植物の採取や損傷の被害が発生しています。
西海国立公園の指定植物に限らず、貴重な動植物の採取を行うことで、国立公園内で見られる景色も、将来的には変わってしまったり見られなくなってしまったりする可能性もあります。
特に採取や損傷等が規制されている動植物は、見るのは良いですが、とるのは写真だけにしていただけたらと思います。