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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

対馬の下島南部でヤマネコの幼獣撮影 ‼

2025年10月07日
対馬 比嘉 洋太
皆さん、こんにちは。少し肌寒くなり、季節の変わり目を感じている厳原の比嘉です。
対馬では、秋になるとカンパチやヒラマサなどの大型の青物が防波堤から狙えます。私も暇さえあれば釣りに行き、メーター越えを目指して竿を振っています。そんな私から今回は、対馬南部の下島で起きたうれしいニュースをお伝えします。

ツシマヤマネコの幼獣撮影

環境省では、ツシマヤマネコの生息状況調査を目的として島内各地に自動撮影カメラを設置しています。
今回は、下島南部の自動撮影カメラに珍しい動物が映っていました。


それは・・・ツシマヤマネコの幼獣です‼
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2025年6月に下島南部で撮影された2匹のツシマヤマネコの幼獣
対馬では1960年代頃まで全島的にツシマヤマネコが生息していたとされますが、下島では1980年代から生息確認が途絶え、2007年に23年ぶりに確認されました。その後、生息が確認された地域は増加しています。
 一方で、下島では2007年以降、成獣や亜成獣の確認は続きましたが、幼獣は下島北部で2023年の1件のみであり、今回が2件目となります。しかも、今回は下島の南部で幼獣が確認されたことにより、上島から地理的に離れた下島の南部においても繁殖していることが明らかになりました。カメラを見つめる子ネコに、はしゃぐ子ネコ、元気に生きる可愛い姿に心が癒され、その日の調査はウキウキでした。
 さらに、このカメラでは、直前に成獣のツシマヤマネコも撮影されており、2匹の親だった可能性もあります。
下島でも確実にヤマネコが増えていることがわかりうれしい限りです。
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直前に撮影された成獣のツシマヤマネコ

さいごに

近年、対馬の下島でもツシマヤマネコの生息範囲が拡大しつつあります。交通安全キャンペーンでのヤマネコ飛び出し注意の呼びかけや、ヤマネコ教室で子どもたちへの普及啓発を通して、この子たちがのびのび生きていける、そんな環境を島全体で維持していきたいです。