
アクティブ・レンジャー日記
九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。
秋を告げる
2025年10月07日
佐世保
こんには!
西海国立公園 佐世保自然保護官事務所の溝口です。
西海国立公園 佐世保自然保護官事務所の溝口です。

突然ですが、
空に浮かぶ無数の黒い点。 これはいったい何なのでしょうか? 目を凝らしてよ~く見てみると。。。
少し大きくしてみると。。。わかりましたか??


そうです!!正解です!!
たくさんのタカの群れが空を舞っているのがわかると思います。
たくさんのタカの群れが空を舞っているのがわかると思います。
上昇気流に乗り、空に舞い上がった群れが旋回しながら上昇する「タカ柱」をつくっているところを、渡りの際に見ることができます。
高く上昇した後は滑空しながら飛んでいくことで、長い距離を飛ぶことができるのです。

このタカの正体は「アカハラダカ」といいます。


アカハラダカの渡りは、 9月上旬頃~11月上旬頃までで、朝鮮半島から渡ってきた群れが九州西部などを通って、タイやフィリピンに南下していきます。
全島30センチほどの小型のタカで、画像では少しわかりにくいかもしれませんが、オスの首付近から腹部にかけて赤色がかっているのが特徴です。
全島30センチほどの小型のタカで、画像では少しわかりにくいかもしれませんが、オスの首付近から腹部にかけて赤色がかっているのが特徴です。

長崎県佐世保市の烏帽子岳(568m)は、9月中旬から下旬頃アカハラダカを観察でき、西海国立公園第2種特別地域に指定されている場所です。
全国でも鳥愛好者の間ではよく知られていて、多くの方が大きな望遠レンズでアカハラダカを狙っていました。

今年は、プライベート含め3回観察に行きましたが、3回目にして300羽ほどの渡りを確認することができました。
アカハラダカとほぼ同時期に渡りをする、「ハチクマ」の60数羽の群れも確認できとってもラッキーでした。
今年の観察時期は終了しましたが、秋を告げる渡りの鳥たちを観察しに是非いらしてください。
