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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

生物から感じる季節の移り変わり

2025年08月29日
出水 中島 楽喜
 こんにちは。出水自然保護官事務所の中島です。
長いこと暑い日が続き気温からはあまり季節の変化を感じられませんが、植物や鳥からは季節の移り変わりを感じ取ることができます。
秋色に染まりはじめた出水市内の東干拓の様子についてお伝えします。
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 ツル飛来地である東干拓の風景です。田園風景というと黄金色に染まった稲穂を想像される方が多いのではないでしょうか。出水では早期米を栽培されている農家さんも多く、早期米は色づき、早いものは店頭に陳列され、待ちに待った新米の時期がやってきました。
 

渡り鳥

 秋の渡りの始まりを告げる鳥としてバーダーから人気のあるシギ・チドリが渡りを始めており、干拓内では採餌・休息している様子が見られます。繁殖を終えた成鳥が7月中旬頃から渡り始め、今年生まれの幼鳥が少し遅れて渡り始めます。今の時期は成鳥・幼鳥ともに見られるほか、成鳥の換羽の進み具合も様々で同じ種類でも違った姿を見ることができます。渡りのシギ・チドリは10月ごろまで観察することができます。

・オバシギ


 


羽衣の様子から今年生まれの幼鳥だと考えられます。
体形やゆったりと動く姿がおばあさん、昔の言葉で「姥」を思わせることから名づけられたという説があります。

・ソリハシシギ



名前のとおり上に反ったくちばしが特徴のシギです。
日本国内ではあと二種類「ソリハシ」と名のついたシギが見られますが、
それぞれ属レベルで離れており、近いなかまではありません。
 もうしばらくすると、カモ類の渡りも始まりまた違った季節の感じ方ができるようになります。
野外に出て、生き物の様子から季節を感じてみませんか?