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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

みぃつけた!2025パート5

2025年07月28日
五島 片山 美希
こんにちは!
五島自然保護官事務所の片山です。
 
勝手にシリーズ化している「みぃつけた!」をどんどんこの世に広めるべく、巡視の際にはカメラを欠かさない片山です。
今回は5月下旬以降に出会った動植物をお伝えしていきたいと思います。

ツルナ

海岸や浜辺の砂地で見ることのある、ツルナ。
実は食べることができます。
私はツルナの葉を生で食べてみたのですが、クセはなく食感もアイスプラントに似ていました。
ツルナはシュウ酸を含んでいるため、食べる場合には下茹でをするとよいそうです。
おひたしや炒め物、天ぷらなどの調理方法もあるようですよ。

コウボウシバ

上五島で巡視している際に教えてもらった、コウボウシバ。
「コウボウシバ」という言葉を初めて聞いたので、弘法大師を思い浮かべ、なにかあやかれるといいなと思いました。
なぜ「コウボウシバ」という名前が付いたのでしょうか?
調べましたがいろいろな説があり、どれをお伝えすればいいのか…となりました。
気になった方はご自身でお調べください。
コウボウシバは海岸の砂地で見ることができます。
五島列島では新上五島町の中通島だけでなく、五島市の福江島でも確認できました。
自分が気付いていないだけで、本当に足元には小さくてもちゃんと名前の付いた植物があることに、愛おしさを覚えます‼
 
 

シバナ

コウボウシバに引き続き、教えてもらったシバナ。
シバナは国立公園内から10mほど離れた場所で確認しました。
シバナは漢字で「塩場菜」と書くそうで、漢字の通り、程よく淡水と海水が混ざり、潮が満ちるとシバナが水につかるような場所に生えています。
現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種として、環境省と長崎県のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)として掲載されています。
 
 
 

ハマウドとアカスジカメムシ


 
巡視のため歩いていると、ハマウドの上にいた赤と黒のコントラストに目が行くカメムシに出会いました。
このカメムシは名前通りアカスジカメムシといいます。
大きさは9~12㎜程度ですが、見たものはもう少し大きかったような気もします。
アカスジカメムシはハマウドが大好きなのか、「あそこのハマウドにも!」「こっちのハマウドにも!」というようにいたるところで見かけました。

イヨカズラ

歩いていて気になった高さ30センチ程度のこの植物。
淡黄白色で優しい印象の花が咲いていました。
名前は「イヨカズラ」といい、イヨカズラの「イヨ」は愛媛県の「伊予」で発見されたことが由来となっているそうです。
調べていくと「クロバナイヨカズラ」という植物も存在するようで、「どれだけ黒い花なのか…」と思いましたが、調べたところそこまで黒くありませんでした。
気になった方は一度「クロバナイヨカズラ」と検索してみてください。
もう少ししたら夏の花をご紹介できたらいいなと思います。