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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園、奄美群島国立公園があります。

麦のめぐみ ①収穫

2022年07月12日
対馬 南優妃

こんにちは!
対馬厳原事務室の南です。
 
さて、「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」にある、普段は非公開のヤマネコ飼育ケージですが、今回はそんなケージの中身をちょっとご紹介。



これはステーションの上空写真です。
白い線に見えるものは全て柵で、二重に囲われたところが「ケージ」。
実は、ケージの一角では小麦を育てています。
(上の写真の




5月の終わり、はちきれんばかりの実が詰まった黄金色の穂がシャラシャラと風にそよいでいます。
この小麦を収穫するのですが…

 



麦をかきわけると、中から草でできた球体が!
これ、「カヤネズミ」の巣なんです。
(この巣はもう空き家でした)
また、周りにはバッタもピョンピョン飛び跳ねていました。
 
ここで勘の良い方はお気づきかもしれませんが…
ケージの中で育てている麦は、ヤマネコのエサ動物であるバッタやネズミなどのすみかやエサになるのです。
 
実は野生のヤマネコも、田畑に棲む生き物をエサにしています。
農村の人々の営みもまた、ヤマネコのくらしの一端を担っているのです。
 
田畑がバッタやネズミ等の生き物を育み、それをヤマネコが食べ…
この食べて食べられてのつながりを「食物連鎖」と言います。

 



そんなワケで、麦を刈るときは全て刈ってしまうのではなく、あえてちょっと刈り残しておきます。
落穂もそのままにしておきます。

 



刈った麦はヒモ状によったワラでくるくるっと束ねて…





何日か天日干ししておきます。
収穫してすぐは水分が多く、そのままでは芒が外れにくいので、乾燥させてから脱穀作業に移ります。


次回、麦こぎ!
お楽しみに~