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アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
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みぃつけた!2025パート4

2025年07月04日
五島 片山 美希
こんにちは!
五島自然保護官事務所の片山です。
 
時期はさかのぼりますが、今回は「干潟でみぃつけた!」を皆様にお届けしたいと思います。

くちばしが反っている鳥1

 
遠くから撮影したためわかりにくいかもしれませんが、岩と岩の真ん中をよく見ると鳥がいます。

わかりますか?

この鳥はハトよりもひと回り小さく、少しくちばしが長く上に反っているのが特徴で「ソリハシシギ」といいます。
写真では何かをくわえようとしているのがわかりますか?
ソリハシシギはゴカイ類やカニなどを食べるそうです。
ソリハシシギはごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い生きものとして、長崎県のレッドリストには絶滅危惧IA類(CR)として掲載されています。

くちばしが反っている鳥2

 
2羽の鳥が向かい合っていますね。

この2羽のくちばしをよーく見てみてください。
先ほどの「ソリハシシギ」とは違い、くちばしが緩やかな曲線で下に向かっているのがわかりますか?

大きさはハトぐらいで、この鳥を「チュウシャクシギ」といいます。

夫婦なのかお友達なのか家族なのか…わかりませんが、ずっと2羽で行動していました。仲良しですね♪
チュウシャクシギは絶滅の危険が増大しているものとして、長崎県のレッドリストには絶滅危惧Ⅱ類(VU)として掲載されています。
 

アオサギ

北海道から九州まで見ることのできる「アオサギ」です。国立公園内で撮影しましたが、福江島のどこでも見ることができます。
福江港から徒歩で7分ほど歩くと福江城(石田城)があり、そのあたりや福江島の中心部から少し離れた田んぼ、干潟などで見ることができます。
また、漁師さんがとってきたお魚を狙っているのか、漁港らへんでも見かけます。
個体によりますが、人を恐れない個体も多い印象です。
よーくみると、後頭部にぴょんとながい冠羽が見えますね!

名前で惑わされる鳥

アオサギよりも少し小さく、アオサギに黒いコートをまとわせたようなこの鳥は「クロサギ」といいます。
昨年度から干潟で野鳥の観察をしていましたが、クロサギを見るのは初めてでした。

後ほど図鑑で調べると「クロサギ」という名前なのに「白色型」という白いタイプのクロサギもいるそうで、南西諸島以南では「白色型」が多いそうです。

クロサギは現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のあるものとして、長崎県のレッドリストには準絶滅危惧(NT)として掲載されています。
 

足元を見ると…

干潟で野鳥を観察していましたが、ふと足元に目を向けるとたくさんの生き物がいます。
この写真の中にも10匹近くのカニがいるのがわかりますか?

このカニは1センチ程度の大きさで、「チゴガニ」といいます。

中央のハサミが白いチゴガニが相撲を取ろうとしているのかと思いましたが、ハサミを上下に動かすのは求愛行動のようで春から夏に見ることができますよ。
 
今回は干潟で出会った生きものをご紹介しました。
大きく動く目立つ生き物もいれば、目を凝らしてみないと気が付かない小さな生き物もいます。
私はアクティブ・レンジャーになり2年目ですが、まだたくさん知らない世界がここにもありましたか!と、とてもいい意味で思い知らされます。
皆様にもまた、出会った動植物をお伝えできたらいいなと思いました。