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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

謎に包まれた島へ巡視に行きました‼

2025年06月20日
五島 片山 美希
こんにちは!
五島自然保護官事務所の片山です。
先日巡視のため、島全体が国立公園になっている島へ行きました。
その島は「嵯峨ノ島」といい、嵯峨ノ島は2つの火山が繋がって1つの島になりましたが、噴火のあった年代等は未だに解明されておらず謎に包まれた島です。
 
そんな嵯峨ノ島では遣唐使の時代かその終わり頃に中国大陸から伝わったとされる「オーモンデー」という「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」にも指定された念仏踊りもあります。
嵯峨ノ島は大陸との懸け橋だったのかもしれない歴史に思いを馳せながら、探索することができます。
また、自然の素晴らしさや大地を感じることができる魅力的なスポットも多くあります。

嵯峨ノ島へ行くには…

嵯峨ノ島へ行くには、福江島の福江港ターミナルから車でおよそ50分車を走らせたところにある貝津港から船に乗り、およそ13分で嵯峨ノ島に到着します。
嵯峨ノ島の周囲は約12㎞あり、私たちは歩いて巡視を行いましたが、島内にはレンタサイクルがあるため、自転車だとスムーズに島を観光することができます。

嵯峨ノ島にはなにがあるの?

 
福江島にもアコウの木は多くの場所で見かけますが、嵯峨ノ島のアコウの木の存在感は別格です。
険しく切り立った崖に張り巡らされたアコウの木。
アコウの根が複雑に絡みつき、下に垂れている様子には圧倒されてしまいます。
写真を撮影しようにも1枚に入りきらないほどの大きさです。
男岳(おだけ)にある千畳敷は何度もマグマと海水がぶつかって激しい爆発が起こったことでこの地層ができたそうです。
また、千畳敷から見た景色はいろいろな表情があって面白いので探検してみてみるのもおすすめです。
 
 
女岳(めだけ)の山頂は360度見渡すことができる絶景スポットです。
島の全景や福江島、島山島等も見ることができます。
また、女岳火口展望所も近くにあり、そちらでは火山の断面などが観察できる日本でもとても珍しい場所です。
 
女岳山頂から見た男岳
 
女岳山頂から見た福江島
 
女岳火口展望所から見た島山島
 
女岳火口展望所から見た女岳の火口
2つの火山(男岳と女岳)が繋がってできた嵯峨ノ島。
なぜ男岳、女岳というのでしょうか?
男岳には男の人が座っているかのように見える岩があり、女岳には女の人が祈っているかのように見える岩もあります。
もしかして、それが名前の由来なのかしら…⁉と気になったため、三井楽町の郷土史を読みましたが、名前の由来等は出てきませんでした。
 
やはり嵯峨ノ島は謎に包まれた島です‼
島の自販機は使用中止になっていたこともあり、熱中症対策のためにも飲み物は余分に持っていくことをおすすめします。
 
男岳:男の人が座っているように見える岩
 
女岳:女の人がお祈りをしているように見える岩