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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園、奄美群島国立公園があります。

「森の貴婦人」を追いかけて_1(春・夏の花シリーズ)【雲仙地域】

2022年06月23日
雲仙 古城かおり

雲仙ロープウェイ

 こんにちは。「雲の上の避暑地」雲仙にある雲仙自然保護官事務所の古城です。ここでは、まだまだ長袖シャツを着ていても寒い日があります。

 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」や「大和なでしこ」など、日本では昔から女性を花にたとえることがあります。

 反対に、花を女性にたとえることもあります。雲仙では「森の貴婦人」と人が呼ぶ美しい花があります。「オオヤマレンゲ」です。姓は大山、名は蓮華とまさに女性の名前のようにも聞こえます。

 

オオヤマレンゲのつぼみ

 この時期の普賢岳には、森の貴婦人に一目会いたいと足を運ばれる方が多くおられます。

 左の写真は5月、下の写真は6月に撮影したオオヤマレンゲのつぼみです。つぼみさえもが気品をまとっています。美しい彫刻のようです。

 個人的には、この形を木で作ったら、ツボ押しにいいんじゃないかと思います。手の中で転がすと気持ちよさそうです。

 

 

オオヤマレンゲのつぼみ

 

 1990年から始まり1996年まで続いた普賢岳の噴火によって、雲仙のオオヤマレンゲは絶滅したと考えられていました。しかし、土に埋まり数年間休眠していた種から発芽し、平成の大噴火から約30年経った現在は大きな株へと育ち、毎年花をつけるようになっています。

 普賢岳登山道を歩けば、数年後に花をつけそうなオオヤマレンゲの小株がいくつも見られます。数年後、数十年後には、もっとたくさんオオヤマレンゲの花を見ることができるようになるかもしれません。

 次回は、開花したオオヤマレンゲについてレポートします。

(つづく)

 

 

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