アクティブ・レンジャー日記
九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園、奄美群島国立公園があります。
どうして起きた?交通事故 ─現場検証─
2022年06月01日
対馬
はじめまして!
今年度より対馬自然保護官事務所の厳原事務室にARとして着任しました、南優妃(みなみゆき)です。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、早速ですが悲しいニュースです...
4月16日、ツシマヤマネコが交通事故で死んでしまいました。
11月25日以来、142日で無事故記録は途絶えてしまいました。
場所は、ちょうど対馬の上島と下島の間に位置する、美津島町・小船越。
上島から個体数の少ない下島へのヤマネコの移動分散の要となる地域で起きた事故です。
交通事故が起きた後は、「現場検証」を行います。
事故現場の周辺の環境を調査し、調査票にチェックしていきます。
国道、交通量多い、カーブがあって見通しは悪い...
調査するにもなかなかデンジャラスな環境で、これはヤマネコも事故に遭ってしまうわけだ、と痛感。
写真の記録も欠かせません。
ヤマネコが死んだ地点に向かっていろんな方向からパシャリ、
ヤマネコが死んだ地点に立っていろんな方向にパシャリ、
獣道、ほかの動物のフン、気になる構造物もパシャリ...
事故当時、ヤマネコは何のために道路に出たのか、同じような事故を防ぐにはどんな対策をしたらいいか、考えるための材料集めです。
対馬での主な交通手段は車で、なんと14,731世帯に対し、乗用車と軽自動車を合わせた保有車両数が22,305台となっています。(対馬市/長崎県統計年鑑)(令和3年3月時点)
そんな車社会の対馬ではヤマネコの交通事故が後を絶ちません。
安全運転の心がけはもちろんのこと、
「ヤマネコを轢いてしまった」、「ケガをしたヤマネコをみかけた」、そんな時はすぐに
《0920ー84ー5577(はよ、ここならせならせ)》
へご連絡を!
その一報が、ヤマネコを救います。