アクティブ・レンジャー日記
ツシマヤマネコ再び野生へ 【対馬】
2022年04月08日初めまして!
ご挨拶が大変遅れて申し訳ございません。令和3年の4月から対馬自然保護官事務所厳原事務室でアクティブレンジャーとして勤務している引地稜と申します。
令和4年2月23日にケガの治療をおこなっていたツシマヤマネコを放獣しましたので、報告します。
このツシマヤマネコ(Mn-102:うねくん)は令和4年2月2日に市民の方から錯誤捕獲(シカやイノシシを捕まえるために設置された罠にヤマネコがかかってしまうこと)の通報を受け、保護したヤマネコになります。
対馬野生生物保護センターでの検査の結果、右前肢に錯誤捕獲された時に負傷したと考えられる外傷があり、対馬野生生物保護センターで治療をおこなっていました。
豊玉町仁位で保護、オスの成獣(3500g)
そして無事治療が終了し、保護した場所の近くで放獣をおこないました。
放獣当日 環境省職員と発見者の方でうねくんの放獣を見守りました
放獣後はヤマネコが野生に帰った後も無事に過ごせているかを調べるため、
追跡調査をおこなっています。追跡調査は、ヤマネコに首輪型発信機をつけ、
発信機から発信される電波を元に追跡する、ラジオテレメトリー調査という方法で
おこなっています。
首に取り付けられた発信機
首輪のベルトの色はオレンジ色と灰色で、灰色の部分が反射素材になっており、
車等の光が当たると強く光り事故防止になっています。
ツシマヤマネコの錯誤捕獲は毎年発生しており、特に冬季の繁殖時期に多く発生する傾向があります。もし、ツシマヤマネコがわなにかかってしまった場合や、錯誤捕獲を発見した際には、ケガの治療や健康状態の確認等のためにも、迅速な通報のほどよろしくお願いいたします。電話番号は
対馬野生生物保護センター 0920-84-5577(24時間対応)
なお、環境省では、錯誤捕獲などツシマヤマネコへの影響に配慮した効率的なシカ捕獲方法の開発や普及を進めています。また、鶏舎への侵入は侵入口を防ぐことで防止できること、わなに魚を入れないこと等、ツシマヤマネコの錯誤捕獲防止のための各種情報提供や普及啓発も行っていますので、お問い合わせください。
引地