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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

今年も天草にマナヅルが飛来しました【雲仙天草国立公園・天草地区】

2021年12月22日
雲仙天草国立公園 森俊夫

 鹿児島県出水市の出水平野は、国内最大のツルの越冬地として知られており、既に1万5000羽を超えるツルが渡来しているようです。

 熊本県の南西部に位置する天草市の上空は、出水平野に渡来するツル達の飛行コースとなっており、天草市の河浦町と深海町にまたがる標高405メートルの六郎次山(ろくろうじやま)の山頂では、渡りのツル達を観察することができます。

 その六郎次山の麓の河浦町で、越冬する3、4羽のマナヅルが、10年以上前から確認されていました。

 例年11月下旬頃に飛来が確認されていましたが、今年は、12月初旬になっても見当たらず、10年以上続いていた越冬も途切れてしまうのかと心配していましたが、12月21日に3羽にマナヅルの飛来を確認することができました。

 このまま、この地で越冬してくれることを願いながら、観察を続けたいと思っています。

写真1 今年も3羽のマナヅルが飛来しました1

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽が間隔を空けて写っている写真

写真2 今年も3羽のマナヅルが飛来しました2

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽が間隔を狭めて写っている写真

写真3 周りを警戒しながら羽を休めています1

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル1羽がが大きく写されている写真で、目の周りが赤くなっている特徴が確認できます写真4 周りを警戒しながら羽を休めています2

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル2羽が大きく写されている写真で、1羽はエサをついばみ、もう1羽は周りを警戒しているように見え、目の周りが赤くなっている特徴が確認できます写真5 エサをついばむときは、必ず1羽はエサを食べずに、周りを警戒しているように見えます1

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽の写真で、2羽がエサをついばみ、その横に立った1羽が周りの様子を窺っている様子が確認できます写真6 エサをついばむときは、必ず1羽はエサを食べずに、周りを警戒しているように見えます2

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル3羽の写真で、写真5と同様に、1羽は必ず周りを警戒しているようです写真7 他の2羽がついばみをやめたところで、見張り役の休憩でしょうか、片足を延ばしてリラックス?

令和3年12月21日に撮影された飛来したマナヅル1羽の写真で、片足で立ったまま、もう片方の足を後方に延ばしている様子が確認できます

 ツルは、警戒心が強く、銃声に驚いて越冬をやめる事例が発生しておりますので、ツルの渡来地では、狩猟(特に銃の使用)についてご配慮いただきますようお願いいたします。

 また、渡来地の河川敷や河口干潟、ため池等をねぐらとして利用しますので、夜間(日の入から日の出まで)の同所への立入り(犬も含む)についてもご配慮願います。

 数少ない越冬地の確保に向けて、みなさんのご理解とご協力をお願いいたします。