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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

雲の上の避暑地_地獄に光2【雲仙地域】

2021年09月15日
雲仙 古城かおり

 こんにちは。

 「雲の上の避暑地」雲仙にある雲仙自然保護官事務所の古城です。

前回に続き、雲仙復興の歩み、その一部をレポートいたします。

  

 土砂は、山の岩や木々を流しただけでなく、八万地獄内の遊歩道や遊歩道脇の東屋を飲み込んでいました。しかし、その土砂の上には、浅い水の流れがいくつかできていました。

 数日後、その流れは大きくなっていき、いまではふつふつと湧き上がる源泉がいくつもできています。

   

お湯が湧き出る八万地獄         (※源泉付近には一般の方は立ち入りできません)

   

 かつて地元では「温泉」と書いて「うんぜん」と呼んでいました。温泉あってこその雲仙だということ、温泉はこの地域にとって生命線だということが伝わります。雲仙の人々にとって、新しい源泉が湧いたことは、どんなに明るく、大きなニュースだったことでしょう。

 雲仙に来たばかりの私にとっても、温泉が生まれる(復活する)ところを目の当たりにするのは、飛び上がるほど嬉しかったです。

 

新しい源泉が湧き出る八万地獄  

 地球全体から見れば、数万年、数億年前から、繰り返されてきたことなのかもしれませんが、新しい源泉がいくつも湧き出る八万地獄の姿は力強く、新しい雲仙のスタートのようでした。

 もうもうと煙るお湯の中に手を入れると火傷をするくらい熱く、測ってみると温度は九十度を超えていました。温泉として引くには十分な温度です。

 

 次回は、その源泉の活用についてお伝えします。 (つづく)