アクティブ・レンジャー日記
秋の草原で出前講座を行いました【阿蘇地域】
2020年10月22日こんにちは。阿蘇事務所の藤田です。事務所の窓から見えるイチョウが少しずつ色づいています。そろそろ紅葉の季節です。
さて、阿蘇市立阿蘇小学校の小学5~6年生は、毎年、草原の学習に取り組んでいます。昨年12月に阿蘇山上ビジターセンターにて「火山と草原の成り立ち」について学び、今回は秋の野外学習を行いました。
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1、「秋の草原の生きものを見つけよう」
2、「草原のススキを使って卒業証書を作ろう」
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上記をテーマに、牧野組合が維持管理されている草原に出かけました。
阿蘇地域では通常、草原に入ることはできません。今回は「学習のためなら」と牧野組合から許可をいただいて、消毒のための消石灰を踏んだ上で入りました。
※牛や馬の冬場のエサとなる野草を採る採草地に入るため、消毒効果が確認されている消石灰で靴底の消毒を行い(口蹄疫などの)ウイルスによる感染症などの侵入・発生の予防に注意しました。
昆虫採集と植物観察とに分かれて活動しました。昆虫採集については専門家の先生をお招きし、虫捕り網の使い方などを教わった上で昆虫を捕まえ、先生に名前を確認していただきました。
○貴重な発見
風が強かったため「チョウ」や「トンボ」など捕まえにくかったのですが、「アカギカメムシ」が見つかりました。
アカギカメムシは主に熱帯域か亜熱帯域(マレーシア等)に生息しています。九州では屋久島や種子島などで確認されていますが、寒冷地の阿蘇で見られるのは珍しいようです。
「これは貴重な発見だ!台風で飛んできたかな?」と先生も興奮気味。アカギカメムシは子ども達が熱心に記録をとった後、逃がしました。
植物観察は草原で見られる植物が載っているシートを渡し、班ごとに植物を探し回ります。そこで見つけたものをシートに書き込んでいきます。ワレモコウやアキノキリンソウなど全部で22種類見つけることができました。
今年からタブレットを使った学習が始まり、しっかり記録。
ワレモコウ アキノキリンソウ
カヤネズミの巣も見つけることができました。
最後に、『ススキの卒業証書』の用紙作りのため、原料となるススキの採取を行いました。
ススキをカマで刈り取り、固い茎と葉をより分けます。
集まった材料(ススキ)は柔らかくしてから、自らの卒業証書の紙の原料にします。紙漉きは卒業間近に行う予定です。今から楽しみです!
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阿蘇草原再生の取り組みでは、阿蘇地域の子どもたちが地域で守り継がれてきた草原について興味を持ち、理解を深めることを目的として、教育現場に導入しやすい草原学習プログラムの提供などを行い、授業をサポートしています。
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