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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

駆除活動をするわけ 【くじゅう地域】

2020年09月30日
くじゅう 神代拓馬

こんにちは。

今回は「ある植物」が環境省の所管地内に生えていることを今年初めて確認したため、駆除を行った話をします。

▼その植物があった場所です▼

事務所全員で早急に「その植物」の駆除に行きました。

その植物はこれです。

答えは、オオハンゴンソウです。

皆さんは、オオハンゴンソウという植物を知っていますか?

オオハンゴンソウは、7月~9月頃大きな黄色い花を咲かせます。

北アメリカ原産の植物で、外来生物法により特定外来生物に指定されています。

生命力は非常に強く、一株当たり1000個以上の種をつけ、主根が2グラム残るだけでそこから再生可能と言われています。

そのため、草刈り機での切り取りだけでは駆除は難しく、手作業でスコップなどでの抜き取り作業で根から取り除かなければなりません。

この時の作業では、約2300㎡の中に7本見つかりました。

少ない...と思われたかもしれません。

でも、たった7株のうちに対処した、ということが大切です。これを「初期防除」と言います。

ところで、今回用意した道具はこちらです。

抜根するためのスコップ、長靴、オオハンゴンソウをいれるためのゴミ袋などありますが...

何故、ざるとバケツがあるのか?それは後にお話しします。

タデ原周辺では、オオハンゴンソウ駆除活動が毎年行われています。

駆除したオオハンゴンソウを袋に入れる際は、花と根を切り取って袋に入れます。

▼今年行われたオオハンゴンソウ駆除活動▼

花摘み担当と抜根担当とに分かれて駆除を行います。

      8/9の駆除量               8/30の駆除量

皆さんの協力のおかげで8/9は17袋、8/30は13袋になりました。

帰る際は注意が必要です。

帰る前にしっかりと道具や長靴についた泥を洗い落とします。

この理由は、物に付いた種子や根を落とさずに歩き回ると、オオハンゴンソウが広がってしまう恐れがあるからです。

これが先程のざるとバケツの使い道になります。

タデ原はラムサール条約に登録されている世界的にも重要な湿地です。

しかし、このオオハンゴンソウが湿原の中に入ってしまうと、将来的に希少植物がいなくなり、オオハンゴンソウの花畑が広がってしまうかもしれません。

それを防ぐためにもこの活動は続けられています。

そのため、今まで報告がなかった所にオオハンゴンソウが咲いていたので、早急に駆除を行いました。

オオハンゴンソウの駆除では、駆除して減らすこと以外に、広げさせないことも重要です。

タデ原湿原、くじゅう地域の自然を残していくためにも、継続して活動を行っていこうと思います。