九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

牧ノ戸峠から山頂ぐるり くじゅう登山道情報【くじゅう地域】

2020年08月04日
阿蘇くじゅう国立公園 大島 将貴

こんにちは。

長かった梅雨も終わりを迎え、くじゅう連山を訪れる登山者も増えてきています。今回の記事では、九州豪雨後の牧ノ戸峠から久住山、中岳等、山頂付近の様子を中心に書きたいと思います。

登山道の最新情報は、下記ホームページよりご覧頂けます。

↓最新情報(長者原ビジターセンターHP)↓

https://kujufanclub.com/

▲随時更新されておりますので、HPより最新版の確認をお願いします

牧ノ戸峠から中岳を含むくじゅう連山山頂付近が今回の巡視ルートです。

牧ノ戸峠から久住分かれまでの登山道では、ぬかるみや石の堆積があり、以前より歩きにくいと感じる箇所はあるものの大きな被害はありませんでした。

 

久住分かれから久住山に向かう登山道では、一部崩落箇所が見られます。登山道の道幅が広い場所ですので、こちらを避けて登れば問題ありません。

  

▲登山道の端に崩落箇所

久住山から稲星山に向かう登山道ですが、今回の豪雨で大きな被害はありませんが、元々滑りやすい道ですので注意が必要です。また、神明水分岐で一部崩落が見られます。

▲滑りやすい為注意が必要(久住山から神明水)

▲崩落により神明水の様子が以前と変わっています

▲神明水分岐

稲星山から白口岳では今回の豪雨による大きな被害はありませんでした。

白口岳から中岳では大きな被害はありませんでした。ただし、元々一部古い鎖場(設置者不明)があり、錆びて老朽化しています。滑落の危険のある箇所がありますので注意が必要です。

中岳山頂からは白口谷の土砂崩れが見えます。

▲白口谷の土砂崩れ

中岳から天狗ヶ城では今回の豪雨による大きな被害はありませんでした。

天狗ヶ城から久住分かれでは、登山道沿いの斜面で1箇所崩落があり、倒木が道にかかり注意が必要ですが、通行可能です。

▲倒木が道に倒れています

最後に、冬期に凍結することで有名な御池の隣に「空池」と呼ばれている場所があります。普段は水が溜まる事が無いため空池と呼ばれているのですが、今回の豪雨で水が溜まっていました。くじゅうに来て4年、雨の後に山に上がることもありましたが、一度も見たことがありません。地元ガイドクラブの方も、珍しいとのことで、貴重な光景を目にすることとなりました。

                      

▲普段の空池                   ▲水の溜まった空池

▲近景

まだ調査に入れていない登山道もありますが、主要路線については長者原ビジターセンターに集約して、HPにて掲載しております。山中には道迷い防止と植生保護のための最低限の道標、柵があるのみです。また、今回の豪雨で通行が著しく困難になっている登山道もあります。自分の安全を自ら確保するため、登山を行う際には登山道の最新情報を入手した上、各自の技量に見合った登山計画立てをお願いいたします。