アクティブ・レンジャー日記
今年度を振り返って~登山道編~ 【くじゅう地域】
2020年03月30日こんにちは。次はくじゅう連山での活動の一部をご紹介したいと思います。
まずは初夏。九州電力が主催で利用者の最も多い牧ノ戸登山口から登山道整備を行いました。4月に下見を実施、ぬかるみ箇所の水切りや木階段の補修をしました。
▲毎年たくさんボランティアが参加 ▲協力しながら登山道補修
夏には大分県主催で久住分れのトイレ清掃イベントを行いました。このイベントは登山者の方にペットボトルの水を運んで頂き、その水を利用して山上のトイレ清掃を行うというものです。普段の維持管理では行き届かないところまでしっかり掃除できました。
また、環境省管理路線の杭倒れを長者原VCと共同で行いました。標高1600メートル付近の歩道では、冬期の地面の凍上により、毎年杭倒れを起こしていました。応急処置の杭打ちではすぐに倒れている現状があったので、今年は凍上にて倒伏する箇所を中心に、しっかりと掘って打ち直し、突き固めました。
▲参加者に感謝状贈呈(トイレ清掃) ▲突き固めて土壌を締める(杭打ち)
秋には遭難対策協議会の訓練やくじゅう地区管理運営協議会主催で地元高校生と登山道整備を行いました。老朽化ロープの交換や道迷いの発生しやすい箇所にロープを張り、また崩れやすい箇所へ階段を作成しました。
▲道迷い危険箇所でのロープ張り ▲地元の高校生と共に汗を流しました
冬は利用者の少なくなるシーズンですので、この時期は登山道の工事を行っています。一箇所は以前施工した木階段がハードル化しており、そちらの工事。2箇所目は雨ヶ池木道でぐらつきや沈下が起きておりそちらの工事を行いました。例年は雪が降り、工事が難航するのですが、今年は暖冬の影響でスムーズに工事が完了を迎えることが出来ました。
▲Before(ハードル化) ▲After
▲ボルトの取り付け ▲水平確認
▲Before(木道沈下) ▲After
一年を振り返りながら本当にたくさんの人が関わり、誰か一人の力ではなくみんなの力で維持されている山であり登山道だなと感じている所です。来年度もくじゅう連山に関わる一人としてみなさんと協力しながら、よりよい利用や保全のあり方を考えていきたいと思います。