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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

鳥獣害に関する出前授業 【くじゅう地域】

2019年12月09日
くじゅう 神代拓馬

国立公園に隣接する飯田高原の九重町立飯田小学校では、子供たちが自然のことについて学ぶ機会が多くあり、年間を通して様々な活動をしています。

チームタデ原

↑長者原のタデ原について学び、発信することを目的に結成された団体。

お宝探検隊

↑飯田小学校の1~6年生が加入している団体、飯田高原の自然・歴史・文化について学ぶ。

先月、飯田小学校の生徒さんから鳥獣害の話をして欲しいと依頼があり、出前授業を行いました。

その生徒さんは、田んぼを荒らしているイノシシを見たらしく、何故そのような行動をするのか教えてほしいと大人顔負けの質問がありました。

阿蘇くじゅう国立公園の周りでも、希少植物がシカに食べられて個体数が減少したり、イノシシが田んぼや畑を荒らしたりして農業被害が出たりするなど鳥獣害が多くなっています。

授業では、初めにくじゅう地域に生息する野生動物の写真を見せて生態や、どのような被害が出ているかを話しました。

後半では、何故そのような行動をするのか勉強しながら、被害が出ないためにどういった対策が必要か話し合いました。

私からは、野生動物は悪さをしようとして来てるのではなく、生きるために食べるものを求めて来てるに過ぎないとも説明しました。

生徒さんたちからは、今まで畑や田んぼを荒らす野生動物に対しての悪いイメージがあったが、それがなくなったという意見が出ました。

くじゅう地域では、昔は野生動物が生息する森と人が住む集落の間には、広大な草原があり、草原では隠れる場所がないため移動しにくい環境でした。しかし、草原が野焼きされなくなり、草原が籔に覆われ、野生動物が集落に来やすい環境になったため、被害が多くなったと思います。

今回の出前授業で野生動物の被害対策について話し合ったことを糧として、今後もくじゅう地域の自然について理解を深めてもらえればと思います。