アクティブ・レンジャー日記
屋久島でマーキングしたアサギマダラが台湾で見つかる!【屋久島地域】
2019年11月29日みなさん、こんにちは。
屋久島自然保護官事務所の水川です。
10月初旬、京都を訪れていた知人が、アサギマダラがいたと写真を送ってくれました。
▲京都、祇王寺のフジバカマに飛来していたアサギマダラ。(10月5日撮影)
この時期、暖かい場所を求めて南へ移動しているアサギマダラ。
屋久島で姿を確認できるようになったのは25日後の10月30日でした。(調査:久保田義則氏)
屋久島への飛来数が増えてきた11月17日、令和元年度第二回自然に親しむ集い~アサギマダラマーキング会~を開催しました。
講師は、2003年からマーキングを続けている鹿児島昆虫同好会の久保田義則氏です。
アサギマダラのマーキングの仕組みについては、昨年のバックナンバーをご覧ください↓↓
http://kyushu.env.go.jp/blog/2018/11/post-545.html
そしてこの度、とても嬉しいニュースが舞い込んで(チョウだけに...)きました!
マーキング会で参加者がマーキングしたアサギマダラが、なんと台湾で再捕獲されたのです!
9才の男の子が室内レクチャーの際練習でマ-キングした1頭が、11月26日に台湾の澎湖島という島で、台湾の方によって再捕獲されました。
▲屋久島と台湾の澎湖縣西嶼西堡壘の位置図。約1305kmの距離をわずか9日間で移動していました。
今回のマーキング会は、例年通り最初に室内で久保田氏によるアサギマダラのレクチャーを行い、外に出る前にマーキング練習を行いました。
▲室内レクチャーの様子。
▲マーキングのお手本を真剣に見つめる参加者の皆さん。
▲マーキング練習の様子。ここで男の子がマーキングしたアサギマダラがこの後台湾に飛んでいくのです。
▲マーキングしたアサギマダラ。
▲実際に外へ出てアサギマダラを捕まえてマーキングしました。
▲マーキングしたアサギマダラをそっと放す男の子。
このマーキング会の後、久保田氏から参加者の標識情報をアサギマダラのメーリングリストで発信していました。
そしてこのほど台湾の方から再捕獲情報が発信され、移動情報が分かったのです。
この会でマーキングされたアサギマダラが台湾で再び見つかるなんて、驚きと感動とロマンでいっぱいです。
地道な調査がこうして実を結び、謎が多いアサギマダラの生態を解明する手がかりとなっていきます。
今回の結果は大変貴重なアサギマダラの移動情報となることでしょう。