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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

錦江湾学習会「錦江湾のウミウシ」 【錦江湾地域】

2019年10月30日
霧島錦江湾国立公園 椎葉美香

 10月26日に錦江湾学習会が開催されたので参加してきました。

 重富海岸自然ふれあい館なぎさミュージアムでは、毎月1回あらゆる分野の専門家を講師として招いて学習会を開催しています。

 今回は、いおワールドかごしま水族館の専門家の方から「錦江湾のウミウシとその生存戦略」について学習会が開催されました。

 まず、ウミウシはどういう生きものなのか知るため、ウミウシはどれ?というクイズから始まったのですが、カラフルなイメージがあった私は全部がウミウシに見えます。

ウミウシクイズ(2019年10月撮影)

 正解は、①~③まで全部違う生きものです。

 では、どこで見分けるのかというと前方に2本の触覚と心臓よりも後方に花形のエラがあるそうです。

また、巻貝の仲間だということを知り驚きました。

 数種類のレプリカを用意してくださっており、見てみると触覚やエラが見当たらないウミウシがいます。

ウミウシによっては、エラがないもの、貝殻を持っているものなど様々で、見ただけで見分けるのは難しそうです。

①ウミウシのレプリカ(2019年10月撮影)②ウミウシのレプリカ(2019年10月撮影)

▲ウミウシのレプリカ

 そして、ウミウシは身を守るための手段も様々で、毒を持っているもの、周囲のサンゴや藻に擬態して見つかりにくくするもの、臭い物質を出して天敵を追い払うものもいます。

 刺激を与えると臭い物質を出すタテヒダイボウミウシの匂いを嗅いでみたところ、鼻をつく独特な匂いがしました。

タテヒダイボウミウシ(2019年10月撮影)ウミウシを観察する参加者(2019年10月撮影)

▲タテヒダイボウミウシ               ▲ウミウシを観察する参加者

 次に錦江湾のウミウシについてのお話がありました。日本では1400種以上確認されており、鹿児島県全体で約480種を発見されているそうです。「コノハミドリガイといえば錦江湾」というほど春から夏にかけて多く、かごしま水族館のイルカ水路の周辺などでも見ることができるそうです。

コノハミドリガイのレプリカ(2019年10月撮影)

▲コノハミドリガイのレプリカ

 最後に潜水調査や磯調査、ビーチコーミング調査などの各調査のお話もしていただきました。

 その中でビーチコーミング調査は海岸に打ち上げられた貝殻の中にウミウシがいないか探す調査で、多くの貝殻が波によって運ばれてくる知林ヶ島(指宿市)でも、よく探すとウミウシを見つけることができます。

 日記では紹介しきれない程、たくさんのウミウシの話を聞くことができて、私も貝殻の中や海岸沿いを探してみたくなりました。

錦江湾学習会の様子(2019年10月撮影)

▲錦江湾学習会の様子

 次は11月23日に鹿児島の自然史について、学習会が開催されます。

 12月からはフィールドに出て学ぶ学習会もありますので是非参加してみてください。

 学習会のご案内はなぎさミュージアムのウェブサイトからもご覧いただけます。

 https://www.nagisa-museum.com/