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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2019年08月14日特定外来生物オオフサモ防除作業の結果 【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 池田 裕二

 20198月5日に実施した屋久島アクティブ・レンジャーとパークボランティア会員による特定外来生物オオフサモの防除活動※を報告いたします。

 オオフサモ生育地の2坪ほどの区域で防除を実施し、約2L分のオオフサモを手作業抜き取りにより防除しました。

 ただ、オオフサモの茎には節がいくつもあり、わずか1cmほどの短い節からも再生することができるので、地中に取り残しがあればまた防除作業を行う必要があります。オオフサモ防除作業は継続作業を行わなければいけないのが課題です。

 もうひとつの課題は、他の外来種が繁茂していたことです。

 ルドヴィジア・レペンス(アメリカミズユキノシタ)というアメリカ東部原産の水草で、アクアリウム(熱帯魚飼育や水草栽培の水槽)でよく使われる種類です。安価で強健なことから水草レイアウトの入門種として売られています。

 屋久島の冬に十分耐えられる性質をもっていることに加え、オオフサモに迫るほどの繁殖力の強さは脅威です。昨年に調査をした時にはルドヴィジアはほとんど見られませんでした。しかし今回はオオフサモよりルドヴィジアの方が多く、もしかするとオオフサモと競合し、場合によってはルドヴィジアが勝つのでは、とまで思ってしまいました。

 ルドヴィジアは刈り取りと抜き取りで防除し、採った量は45Lのゴミ袋で3つ、約60kgはあるかと思います。

 同じ場所でかつて確認され、防除作業を行っていた外来種のオオサンショウモ、ボタンウキクサ(ウォーターレタス、特定外来生物)の再発生もわずかに見られました。

 ごく小さな子株がひっそりと残っていたと考えられます。

▲オオフサモの水上葉。非常に美しいデザインの植物で観賞価値は高いのですが、特定外来生物です。島には小川、湧水地、湿地などがあり、在来の水生植物が生育する場所もあります。オオフサモがそうした場所に進出しないよう、注意しなければいけません。

ルドヴィジアの中に生えるオオフサモ

▲ルドヴィジア・レペンスの中に生えるオオフサモ。ルドヴィジアの増殖力もオオフサモ同様に驚異的。わずか一本から増殖して無数の束になります。ごく浅い水辺を好み、水中より水上が好きなようです。

重点対策外来種のオオサンショウモ

▲オオサンショウモ。いわゆるウキクサの一種。分裂して殖えます。

ボタンウキクサ

▲特定外来生物ボタンウキクサ。法規制前、島のスーパーマーケットでも安価で売られていたとか。

 今回防除した水草たちは、かつて金魚やメダカなどを野外で育てていた人が捨てたものから広がったものと推察されます。

 魚や水草を観賞用として楽しむアクアリウムはとても素晴らしい趣味の一つだと思います。しかし、売られている水草の中には繁殖力が強くトリミングで大量の切れ端が発生するものもあり、決してそれらを野外に捨ててはいけません。

 元々そこに暮らしていなかった植物を野外に放つことは、生態系のバランスを大きく崩してしまうおそれがあります。絶対にやめましょう。

集合写真屋久島PV

▲作業の最後に記念写真。私たちは屋久島の自然を守ります!

※今回の活動の前にアクティブ・レンジャー日記と、現場付近の公民館掲示板での告知を行いました。また、活動中は「特定外来生物防除作業中」の看板を設置いたしました。廃棄処分をするために対象生物を生きたまま移動することが想定されている場合、こうした手順が必要となります。

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