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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム 「親子で行く!!くまもと水と森の恵み体感ツアー(清流の森編)」【阿蘇地域】

2019年07月10日
阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

 国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム(※)の一環として、『サントリーホールディングス(株)』と連携して、熊本県内の小学生以上のお子さんと保護者さんを対象に筑後川源流域の南小国町にある『清流の森』にて観察会を実施しました。

このプログラムは、昨年秋にも行い好評だったため、今年度も実施することができました。

 清流の森周辺は、阿蘇くじゅう国立公園内で、自然公園法で守られ利用されている園地のひとつで、クヌギやモミジなどの原生林の奥には草原が広がります。すぐ側には何本もの湧水が流れる、九州一の全長と流域面積を誇る筑後川の源流域の1つです。

               

 

 今回のイベントには、抽選で約40名のお子さんと保護者の参加がありました。

 熊本市内からバスで2時間ほど、当日は濃霧の中の移動でしたが、『草原カレンダー(環境省作)』などを用いて阿蘇についての豆知識やクイズなど、サントリーの認定ガイドの方々が楽しく説明され、私たちは、阿蘇くじゅう国立公園についての紹介や阿蘇の特徴・自然環境の多様性と魅力を、クイズを交えながら紙芝居形式で紹介しました。

               

 新緑の原生林の中で五感のアクティビティでは、風の音、ふかふかの土や渓流の水などを楽しみました。

目を閉じて耳を澄ませると、落ち葉を踏みしめる音、土の感覚、鳥のさえずり、風の音が聞こえてきます。五感を使ったプログラムは学ぶことが多いです。

               

 ふと横を見ると、笹の花を発見!数十年に一度花が咲くそうで、とってもめずらしいとのことです。(花の写真は、興奮しすぎたのかブレブレでした(^_^;))

               

     源流の水に触れてみました。リーダーが分かりやすく説明されるので理解も深まります。

               

                 サワガニやアカガエルも発見!

 移動中は小雨が降っていましたが、活動中は、太陽も出てきてとても気持ちがよく、マイナスイオンもたっぷり浴びた気がしました。

 アンケートでは、100%の方が楽しかったとの回答があり、森と水のつながりも100%の方が理解されていました。また、阿蘇が九州の水源地であることは37%の方が初めて知ったとのことでした。

★☆★☆★ 参加者の声を、一部抜粋してご紹介します。 ★☆★☆★

・ずっと熊本市に住んでいますが、こんなきれいな森があることを全く知りませんでした。夏や紅葉の時期に また行ってみたいと思います。

・自然とふれあいながら、いろいろなことを発見できてとても楽しかったです。緑と清流、普段の生活で触れることのない大自然に心がいやされました。

・たくさんのスタッフの方が同行されていて、安心して参加できました。

 今回は、筑後川源流域での活動でしたが、阿蘇地域には、九州の主要6大河川の源流域があり、約230万人の産業や生活用水として利用されています。今回、ご協力いただいたサントリーホールディングス(株)でも、熊本工場は阿蘇の外輪山の裾野にあり、南外輪山の伏流水を利用されています。

 湧水を阿蘇の恵みと捉えて、体験を通して、水を育む環境やその保全について体感する機会を今後も提供していけたらと思います。

 次は、白川流域での活動を報告します。

***** 国立公園オフィシャルパートナーシップについてはこちら *****

http://www.env.go.jp/press/103297.html

 環境省とサントリーが、平成29年11月「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結したことにより開催される活動で、阿蘇くじゅう国立公園の魅力を発信し、国内外の利用者の拡大を図る"プログラム"。

 この活動を通じて、人々の自然環境への理解を深めることを目的に、官民協力して国立公園を盛り上げていきたいですね。