アクティブ・レンジャー日記
屋久島の珍味、カメノテ 【屋久島地域】
2019年06月25日
屋久島国立公園
▲カメノテの群集
カメノテを食べたことはありますか?
文字通りカメの手のような姿をした海の生き物で、屋久島では人気の高い海産物です。近年、テレビ番組でも食用として紹介されたこともあり、知名度が上がっています。
硬い殻と、鱗のようなものに覆われており、初めて見る方は本物のカメの手かと思ってしまうかもしれません。
また、殻に覆われて貝のようにも見えるので、貝の1種と思ってしまう方も多くいらっしゃるようです。
しかし実際には爬虫類のカメの手でも貝でもなく、エビやカニなどを含む甲殻類※のグループで、フジツボに近い仲間です。意外でしたか?
波のかかる岩場の隙間をよくみると、集まってくっついている様子を見ることができます。
屋久島にはコンクリートで整備された海岸はとても少なく、自然の海岸が残っています。カメノテの生育環境はあちこちで見られます。
カメノテは北海道から沖縄まで広く分布しますが、食べる習慣がある地域は比較的少ないです。塩ゆでしたり、味噌汁に入れたりすると、おいしくいただくことができます。
身を食べる際にはコツが要ります。鱗のような皮の部分を取って中身のピンク色の身を食べます。エビと貝を足したような、濃厚な風味です。
※甲殻類アレルギーの方は要注意です!
その正体も食べ方もあまり知られていない珍味カメノテ、島内のお宿や飲食店でぜひ挑戦してみてください。
今回、屋久島世界遺産センターの貝コーナーの一角にも、カメノテの解説パネルを設置いたしました。ご来館の際には是非ご覧ください。