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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

瀬早川の生き物を調べよう!大軣(だいごう)小学校の出前授業 【出水地域】

2019年06月07日
出水

こんにちは!出水自然保護官事務所の本多です。

今回は、5月23日(木)に、鹿児島県の薩摩川内市立 大軣(だいごう)小学校にて実施した、

瀬早川の生き物調べの出前授業についてお伝えします。

この授業は大軣小学校のふるさと教育の一環として、学校の近くを流れる瀬早川が

どのような川であるかを、生き物調べを通じて学ぶことを目的としています。(四年生対象)

出水自然保護官事務所では、生き物の捕まえ方および調べ方のサポート役として

二年前よりこの授業に協力させて頂いており、今年で三回目の参加となりました。

<生き物採集の様子>

 
▲タモ網を使って魚を追い込んだり、石の裏をひっくり返したりして生き物を捕まえました。

大軣小学校の子どもたちは普段から川遊びや生き物に親しんでいるそうで、

トンボやカニ等の生き物も積極的に素手で捕まえて感触を確かめていました。

 

▲何とこの日のためにゴーグルを持参し、ダイナミックに水中を観察する子もいました。

「何が見られた?」と聞くと、「魚が泳いでたよ!」とまぶしい(ずぶ濡れの)笑顔で

答えてくれました。彼のアイディアと実行力には驚かされました。

<調べ学習の様子>

捕まえた生き物たちをいったん教室に持ち帰り、種名や生態を図鑑で調べました。

 

▲グループに分かれて、調べ学習スタート。

子どもたちは、最初は図鑑をどのように使えばよいか戸惑っていた様子でしたが、

目次や索引等の読み方についてアドバイスし、また捕まえた生き物の特徴を一緒に

考えてみたところ、徐々に自主的に調べられるようになりました。

調べ学習の結果、「メダカ」だと思っていた小魚はカワムツだということ、

また瀬早川にはヨシノボリ、サワガニなどの魚介類、ニホンカワトンボや

ミヤマカワトンボ等の昆虫が生息していることが分かりました。

他にもカワニナやカワゲラの幼虫など、きれいな水を好む生き物が多数生息していることから、

瀬早川はきれいな川であることが分かりました。

▲最後に、採集した生き物にお礼を言い、元の場所へ返しました。

自分の手で捕まえた生き物を、自分で調べて学ぶことは、単に生き物の知識を

増やすだけでなく、その土地の自然環境や生態系に関心を持つきっかけとして非常に

大切なことだと思います。この授業を通じて、ふるさとの自然に少しでも関心を持ち、

その魅力を発掘してもらえたらと思います。

私も子どもたちに図鑑の使い方や観察のしかたを

分かりやすく伝えるにはどうすれば良いかを考えるきっかけができました。

大軣小学校の皆さん、ありがとうございました。