アクティブ・レンジャー日記
4月のお散歩観察会 【やんばる地域】
2019年04月25日こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。
前回のお散歩観察会特別編に引き続き、通常編もとっても楽しい観察会だったので、
その様子を紹介します。
▲大雨が降った朝一番、8時半にウフギー自然館に集合です。
湿度たっぷりな朝でした。真ん中の紫の上着が私です。
▲降ったりやんだり、小雨の中をいつもの観察場所の橋を渡ってみると...。
▲こんなに間近で虹が見られました!
消えてしまう前にみんなで鑑賞&撮影会...。
見つけて10分ほどで虹は消えてしまいました。
その後は定例の1分間の鳴き声調査をしました。
この日は、やんばる固有の鳥3種のアカヒゲ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナが頻繁に鳴いていました。
鳴き声を聴いた後は、舗装路をテクテクあるいて道沿いの生き物を観察します。
冬に真っ赤なブドウのような実をつける"イイギリ"。
新緑と一緒に蕾が出てきて、4月には満開になります。
花びらが緑なので見た目は地味ですが、花らしい良い香りがします。
春先に森でよく出会う"ヤクシマドクガ"の幼虫。
頭の横の毛が長―く伸びているのでまるでツインテールの髪型みたいです。
可愛くて私の好きな毛虫の1つです。
名前が"毒蛾"だし、今にもかぶれそう...。と思われるかもですが、実は毒が無い毛虫です。
なので、手のひらの上を歩かせても大丈夫です。私もよく手に乗せて観察します。
※それでも肌が弱い体質の人は毛を強く触るとかぶれることもあるので、自分の体質をしっかり見極めましょう。
一方、こちらは触ってはいけない"マツカレハ"。
下が頭になっているんですが、ちょうど水滴が付いている部分の青い毛が毒毛です。
刺激すると、この毒毛をすりつけるように頭を振ってきます。
仕草は可愛いですが、間違っても触らないように注意です!
他にも集水マスをのぞくとヒメハブがいたり、
巨大なオオハシリグモがいたり...
◀巣を張らないクモで日本一大きいといわれるクモ。
この子は、私が見てきた中でも最大サイズでカッコいいです!
写真で伝わらないのが残念...。
ヤンバルキヌランが小さな花を咲かせていたり...。
たくさんの動植物に出会いました。
その中で、私の一押しはこの子です。
"イチモンジカメノコハムシ"の幼虫。
本体は下の白っぽい部分で、上のトゲトゲした部分は、自分の脱皮殻やウンチなんだそうです。
なぜそんな物を乗せているんでしょうか?
横から見るとこんな感じ。(参加者の人が撮ってくれました。指は私。)
右が頭、左がお尻です。 ちょっとつついてみましょう。
「えいっえいっ...」
おお......。
分かりますか?お尻の茶色いトゲトゲを盾にして身を守っているんです。
本や図鑑で読んで知っていましたが、実際に動いているのを見るのとでは、感動が大違い!けっこう力強く押し返してきます。
この子の食草はムラサキシキブで、道沿いの小さな幼木に5匹も付いていました。
ここは一般の人も車で通れる林道ですが、車を降りてちょこっと歩くだけでいろいろな生き物と出会えます。
他にも見つけた生き物はいるのですが、長くなってしまうので今日はこの辺でおしまいにします。
みなさんも身近な場所でよーく観察してみたら、面白い出会いがきっとありますよ。
今週の1枚「キカイキセルガイモドキ」
ソフトクリームのような形のカタツムリの仲間。
雨の日に海沿いの石灰岩地を歩いていたらたくさん出てきていました。
晴れだけじゃなくて雨の日のお散歩も良いですね。