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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

江楯池野鳥観察会 【平戸・九十九島地域】

2019年02月07日
西海国立公園 岡山桂

  

 こんにちは!

 佐世保自然保護官事務所の岡山です。

  

 まだまだ寒い日は続きますが、スノースポーツが趣味の私にとっては雪の積もらない佐世保での冬に少しばかり物足りなさを感じます。

 この時期の佐世保市内の江楯池(えたていけ)には留鳥を含む多くの野鳥が集まることから、1月19日、九十九島ビジターセンターによる野鳥観察会が開催され、スタッフとして参加しました。

江楯池

 

 写真の白くなった木々を見て、「佐世保は雪が積もらないのではなかったのか」とツッコミを入れたくなった方もいるかもしれませんが、実はこれ、すべて鳥のフンなのです・・・!

 木々を真っ白に染めたのはほとんどがカワウによる犯行。彼らは1年を通して観察することができ、夕方になると白く染められた木が黒く見えるほど、何百ものカワウが集まるそうです。

左:水面近くを飛ぶカワウ / 右:夕方に集まり始めたカワウの群

  

 秋から冬ごろ見られる鳥のひとつに当地長崎県の鳥に指定されているオシドリがいます。色彩の地味なメスに対し、オスは特徴的な派手な色と「イチョウ羽」と呼ばれるイチョウの葉のような形の羽がよく目立ちます。オスのこのような羽の色は求愛や繁殖の時期にのみ見られる特徴です。夏には「エクリプス」や「エクリプス羽」と呼ばれるメスとよく似た地味な羽になり、オシドリ以外のカモ類でも、同様の季節による変化を見ることができます。

左:メスとその前後を泳ぐオスのオシドリ / 右:オス2羽とメス1羽のマガモ

  

 今回の観察会では他にも、マガモ、カルガモ、トモエガモ、ハシビロガモといった淡水ガモを始め、ホシハジロやカイツブリ、オオバン、アオサギ、ハイタカ、さらに鳴き声の聞こえたシロハラなどや、観察舎までの林道で見つけたものを含めると、約1時間の間に20種近くの野鳥を確認することができました。

左:野鳥観察舎 / 右:野鳥観察の様子

  

 今回は冬の江楯池での野鳥観察を紹介しましたが、秋には佐世保市南東に位置する烏帽子岳山頂からのアカハラダカやハチクマの渡り観察も人気です。

 フィールドでの野鳥観察は静かに鳥たちを見守ることがマナーです。そうすることで鳥たちの鳴き声も聞こえ、また違った楽しみ方もできます。

夕方の江楯池