アクティブ・レンジャー日記
冬の風物詩「草小積み」を探してみませんか 【阿蘇地域】
2019年01月30日こんにちは、阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の大津です。
1つ前の阿蘇地域の記事「阿蘇の草原を楽しもう!」にも写っていた冬の風物詩についてお話しします。
▲「草小積み(くさこづみ)」です!
阿蘇では今も昔も、野草は大切な資源であり、冬の牛馬のエサや、野菜を育てるための堆肥にします。刈った草を山から牛舎や畑のある人里まで運ぶのですが、60年ほど前まではトラックなどはあまり普及していませんでしたので、とても運びきれませんでした。そこで、草小積みが刈草の保存のために作られていました。
草小積みの形にも理由があります。
・空気のとおりがよく、痛まない
・雨に濡れても腐らない
・運ぶときや使う時に少しずつ分けられる
長年、試行錯誤しながら培われてきた形だと感じます。
今この草小積みは、減ってきていて、反比例するように普及しているのがこちらです。
▲野草ロール
見たことがある方も多いはずです。草小積みと同じく、草をまとめて保存するためのものです。野草ロールは草小積みに比べて、平坦な草原では機械で一気に作れます。またトラックを使えば一度にいくつも運ぶことができるようになりました。
「草小積み」の現代版が「野草ロール」ともいえますね。
このような背景があって、草小積みは減少していますが、昔の手法の継承のため、「草小積み再生プロジェクト」が立ち上がっています。
▽草小積みマップ▽
(PDF拡大)http://www.giahs-aso.jp/files/uploads/2018/12/kusakodumimap.pdf
2月末(野焼きの前)ごろまで、阿蘇くじゅう国立公園内の主要道路沿いに再現されているものもありますので、ぜひ探してみてください!地域による違いもあるので、草小積み巡りをしても楽しそうです♪
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