アクティブ・レンジャー日記
パークボランティアで口永良部島へ!【屋久島地域】
2018年11月01日みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
運動会シーズンも終わり、少し落ち着く頃でしょうか。
私の住む集落の運動会は10月21日にありました。
3年ぶりの好天で、皆思いっきりグランドを走って楽しみました。
▲原集落の運動会の様子。後ろにそびえるのはモッチョム岳。
さて、翌日の22日から一泊二日で、屋久島国立公園パークボランティアの会で口永良部島に行ってきました。
昨年に続き、「GGG国立・国定公園支援事業」の助成を受けて海岸清掃を実施しました。
▲口永良部島。島全域が屋久島国立公園です。
今年の台風24号で屋久島はかなりのダメージを受けました。
口永良部島はどうでしょうか...。
島に到着後、早速岩屋泊(いわやどまり)に向かい、清掃を開始しました。
台風による高波の影響か、波打ち際ではなくより奥の植生帯の中にゴミが打ち上げられていました。
ゴミの多くはウキ。足場が悪いうえにウキは大きくて重たいので、一人ひとり作業していては日が暮れてしまいます。
そこで、集積場所まで一列になり、バケツリレーでウキを回収することにしました。
▲バケツリレーならぬウキリレーの様子。短い距離は二列縦隊でリレー!あっという間に回収することができました。
▲ウキを回収する前と後の様子。
今回の活動では、海岸清掃の他に口永良部島八景の標識も補修しました。
▲岩屋泊の八景標識の補修の様子。
翌日は西之湯周辺の海岸清掃を実施しました。
口永良部島の魅力の一つは島内4箇所に湧き出る温泉です。
その一つである西之湯が、今回の台風で消失しました。
▲西之湯の様子。
▲消失前の西之湯。
西之湯周辺の海岸には、大量の発泡スチロールが漂着していました。
発泡スチロールの大きな白い塊はとにかく目立ち景観を損ねていたので、これもバケツリレー戦法で回収することにしました。
▲発泡スチロールリレーの様子。急峻な岩場に一列に並んで慎重に発泡スチロールを渡していきました。
▲白い無数の塊が無くなったのがわかるでしょうか。
▲もちろん、発泡スチロール以外の漂着ゴミも回収しました。
会員9名+職員3名で、2日間で回収したゴミの量は、なんと1トン用フレコンバック23袋!
たくさんの漂着ゴミを回収できたことは良かったですが、産廃処理費の予算を大幅にオーバーしてしまいました。
▲ゴミが入ったフレコンバック。
島にゴミ処理施設はなく、産業廃棄物は鹿児島本土に搬出しなくてはなりません。
回収しても次から次へとゴミは漂着し、回収すればするだけ処分費用がかかってしまう...。
良い解決策はないものかと頭を抱えます。
また、活動前日に3年ぶりに新岳がごく小規模な噴火をしました。
活動中も噴火は続き、風向きによっては車に降灰したり、火山ガスの臭いがしたりしましたが、島の方は冷静でした。日々の備えがあるからこそ、いつも通りの暮らしができているのだと感じました。
▲噴火の様子。昼夜問わず噴火していましたが、島の人は落ち着いていつも通りの生活をしていました。
今回は、口永良部島の火山とともに生きる島民の力強さを感じるとともに、離島のゴミ問題の深刻さを痛感する活動となりました。
▲最後にみんなで、はい、チーズ!お疲れ様でした。
※口永良部島では8月29日10時00分に噴火警戒レベル4(避難準備)から3(入山規制)に引き下げられており、現在も噴火警戒レベル3(入山規制)が継続されております。(平成30年11月4日16時00分)
※ 詳細は、気象庁HP等をご覧下さい。
○気象庁HP(口永良部島の噴火警戒レベルを3(入山規制)へ引下げ、平成30年8月29日10時00分発表)http://www.jma.go.jp/jma/press/1808/29b/kuchinoerabu180829.html
○口永良部島の活動状況
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/509.html