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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

縄文杉登山道などの熱中症対策 【屋久島地域】

2018年07月27日
屋久島国立公園 池田 裕二

 夏真っ盛りで屋久島もにぎわっています。

屋久島の安房岳付近

    

暑い時期に注意したいのが熱中症ですね。特にトレッキングでは日常生活以上に注意が必要です。山は涼しいものだと思いがちですが、屋久島の人気のトレッキングコースのうち、縄文杉トレッキングをはじめ、いくつか人気のコースは比較的標高が低く、また長距離で長時間の活動のため夏場は特に熱中症に注意が必要です。

 【熱中症になりやすい条件はこちら】

★梅雨時期から9月頃にかけての気温と湿度が高い日。

★レインウェアを着ながら登山道を登るとき。

★標準的なコースタイムよりも早く、急いだ登山。

★カメラ機材や宿泊用装備など重い荷物を持っての登山。

★水分補給やトイレなど休憩を我慢しての行動。

 夏の午後は山間部に雲がかかりやすく、湿度が高い中では汗も乾きづらく体温調整ができにくくなります。  また雨天時はレインウェアを着ての行動となりますが、雨が止んだ時はすぐレインウェアを脱ぐなど、こまかな体温調整がおすすめです。標準的なコースタイムは、体への負荷を軽減するための目安となります。

 雨上がりや曇天時、雨が降っていない状態でレインウェアを着て登山をする方を見かけたときは一言声をかけて熱中症にならないよう注意を呼び掛けています。

 水分補給は最重要ポイントです。トイレに行くのを我慢するために水分補給を控えるのは危険ですのでやめましょう。縄文杉トレッキングルートは水が汲める場所がいくつもあり、またバイオトイレや携帯トイレブースなど、屋久島の他の登山道よりトイレ環境は整備されていますので、水分補給とトイレは我慢しないでください。水場やトイレの場所は地図で事前に確認しておきましょう。夏場の登山では休憩をこまめにとるのが理想です。

 熱中症になると正常な判断や、体の運動機能が弱まり、転倒や道迷いのリスクも上がります。休憩をしっかりととり、体をケアしながら無理のない登山を楽しみましょう。

【熱中症の主な症状】

★軽症:めまい、失神、足の筋肉のけいれんなど

★重症:頭痛、嘔吐、全身けいれん、高体温、意識障害

 少しでも意識がおかしい場合は、病院への搬送が必要です。

環境省熱中症予防情報サイト

http://www.wbgt.env.go.jp/doc_prevention.php

▼宮之浦岳登山道の水場の看板を修正しました。

宮之浦岳登山道の水場