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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

高島の宝物を発見しよう! 【平戸・九十九島地域】

2018年07月05日
佐世保 岡山桂

 はじめまして!

 今年5月から佐世保自然保護官事務所のアクティブレンジャーとして採用された岡山です。これから西海国立公園の平戸・九十九島地区での活動をたくさん発信していきたいと思います。

 6月9日(土)、高島という島で開催された自然観察会にスタッフとして参加しました。九十九島の離島には他のイベント等で訪れたこともありましたが、有人島へ行くのは初めてで、新たな発見ができると楽しみにしていました。

 高島は人口200人、島の南部に集落があり、北部は自然がそのまま残されている島です。今回のイベントは島の南端に位置する番岳に登り、自然や遺跡を見学した後、集落を散策するという行程です。

      展望所から見る高島              番岳と海沿いの集落

  

 208もの島々で構成される九十九島の中で、高島にのみ生育する植物に出会うことができました。ミヤコジマツヅラフジは、海岸に近い場所に生育し、ハート型の葉の裏にフワフワした毛がある南方系のつる性樹木です。

 集落周辺で見つけたデンジソウは、葉の形がクローバーにも似ていますが、漢字の田の字に似ていることから名付けられたシダ類の水草です。なぜ同じ地域なのに高島でのみ見られるのかよくわかりませんが、島の植生の豊かさを感じました。

     ミヤコジマツヅラフジ               デンジソウ

  

 番岳山頂には戦時中、対空砲台が設置され、現在は探照灯跡や聴音照射指揮所跡など戦争遺産が残されています。聴音照射指揮所から敵の戦闘機の高度や距離、速度を測定していたそうです。

天候に恵まれ、山頂の展望台からは、高島漁港と後方に九十九島の島々を望むことができました。

      聴音照射指揮所の内部           番岳山頂の展望台からの眺望

  

 島の志賀神社にはクジラの石像があります。偶然出会った島の方のお話によると、大正時代、島に大きなクジラが漂着し、高値で売れたため島民が潤ったことを記念して造られたそうです。


     志賀神社のクジラの石像          島民から島の歴史を聞く参加者

  

 今回の自然観察会では、高島の豊かな自然と歴史、そして温かい島民の心に触れることができました。高島からは、世界遺産「長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産がある黒島へフェリーの所要25分で行けます。皆さんも九十九島の島めぐりを楽しんでみませんか。