アクティブ・レンジャー日記
森の掃除屋さんヤクシマルリセンチコガネ【屋久島地域】
2018年06月20日
屋久島国立公園
林道を歩いていた時に、地面にきれいな虫がいることに気づきました。
ヤクシマルリセンチコガネのようです。名前に瑠璃(るり)という色が入っている通り、体の表面は青緑色で美しい金属光沢があります。
実はこの虫、シカやサルのふんを食べる、ふん虫です。汚れ一つないピカピカの体からは想像できませんね。(画像はサルのふんを食べているところです)
植物質を多く食べるシカやサルのふんには、未消化の植物片とともに、様々な微生物が含まれており、ふん虫にとって大事な栄養源となります。
森の中では動物のふんもしっかりと再利用されます。動物のふんは、ふん虫に食べられることによってさらに分解され、無駄なく土へ還ります。
自然界からはゴミが出ません。
人間社会も見習いたいですね。なるべくゴミを出さない生活を目指しましょう。
ちなみに、ふん虫というと海外の「フンコロガシ」が有名ですがヤクシマルリセンチコガネはふんを転がしません。
じっと見ていたら、ふんを自分の体と同じくらいの大きさにちぎって、それをひきずってそのままどこかへ移動していきました。