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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

特定外来生物ボタンウキクサ防除作業【屋久島地域】

2018年06月11日
屋久島国立公園 池田 裕二

 屋久島では、外来生物法で特定外来生物に指定されているボタンウキクサの防除作業を実施しています。ボタンウキクサは池や沼の水面に浮遊する水草の一種です。

 かつては金魚やメダカの飼育用や、ビオトープなどに利用され、安価な価格で市場流通していた外来植物です。別名ウォーターレタスで親しまれ、ペットショップやホームセンターの店先等で販売されていたので、どこかでご覧になったことがあるかもしれません。

 特定外来生物に指定された2006年以降はボタンウキクサの栽培や生きたままの運搬などが法律により規制されています。野外で増殖が確認された場合、分布拡大防止のためにも早めに防除する必要があります。

 昨年、屋久島の一部でボタンウキクサが生育している個所が見つかり、防除作業を進めています。ボタンウキクサをはじめ特定外来生物に指定されている植物は爆発的な繁殖力をもつ種類が多いため、除去には細心の注意を払い、隅々まで取り残しの無いようにします。通常は無性生殖で殖えるようで、小指の爪より小さな子株を出して殖えるので、見逃すと増殖が再開し大変なことになります。気温や水温が高くなり、越冬後の再発生を観察していますが、屋久島の生育地のうち1か所では再発生が確認されておらず、地域根絶できたようです。今後も再発生の無いよう経過観察を続けていきます。

 ボタンウキクサは水上に浮く草ですので、手で取るか網ですくうかして除去します。その後水分を切ってビニールのゴミ袋に入れてしっかり縛り、中で腐らせてから各自治体の処理法に従って処分します。大増殖してしまうと、回収するだけでも大変な重量となってしまうため、人力では難しい作業となります。早めの防除と、継続的な処分が必須です。

ボタンウキクサ防除について3つのポイント

★分布拡大前の早めの防除。

★夏前の防除。夏は爆発的に繁殖します。

★継続的な防除。できれば1か月以上間を空けずに経過観察してこまめな除去を。

特定外来生物に関して詳しい情報はこちらから

http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html

屋久島における特定外来生物オオフサモについての記事はこちら

http://kyushu.env.go.jp/blog/2018/02/post-416.html