アクティブ・レンジャー日記
ミヤマキリシマの害虫について調査しました【阿蘇地域】
2018年04月13日こんにちは!
阿蘇くじゅう国立公園管理事務所 アクティブレンジャーの大津です。
阿蘇谷では桜満開の4月3日に、
阿蘇山上地区にてキシタエダシャク発生状況を調査しました。
キシタエダシャクとは、ガの幼虫で、
5月~6月頃に咲くツツジ "ミヤマキリシマ" の蕾を食べます。
あまりに食害が多いとその年の開花に影響するので、
対策を検討するための事前調査をこの時期に行います。
ミヤマキリシマ 蕾を食べているキシタエダシャク
(2017年5月22日撮影) (2017年5月22日撮影)
― ― 調査方法 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
阿蘇山上地区にはたくさんの株がありますが、
ミヤマキリシマ10株をサンプルとして選び、次の手順で調査しました。
-
1 白い布(25cm×25cm)を株の下に置き、
株の枝を棒で叩いて、幼虫を落とします。
-
2 5秒ほど待ち、動き出したキシタエダシャクを数えます。
この日は10株で合わせて150匹確認しました。
-
3 幼虫の大きさを測ります。(写真の中には5匹います!)
-
4 食害痕を確認します。
蕾に小さな穴があれば食べられている証拠です。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
キシタエダシャクの発生は見られましたが、
今年もきれいにミヤマキリシマが咲くといいですね!
阿蘇地域では5月~6月頃に、
○阿蘇山上広場 周辺
○草千里ヶ浜展望所周辺
○烏帽子岳
○杵島岳
にて山肌がピンク色に染まった様子を見ることが出来ます。
阿蘇で咲いた後は、少し遅れてくじゅう連山も見頃になります。
見頃に合わせて行く先を選んでみてはいかがでしょうか。
※以下のミヤマキリシマ群生地には、現時点では残念ながら立ち入りできません。
×仙酔峡(道路工事中のため)
×阿蘇高岳(火口周辺の安全対策のため)