アクティブ・レンジャー日記
屋久島の紅葉
2017年11月20日屋久島の山間部でも巡視中に紅葉をよくみかけるようになってまいりました。
秋の山というと、やはり紅葉を思い浮かべる方が多いと思います。
一般的に紅葉というと、モミジ、カエデの仲間が赤や橙に色づくというイメージですね。
山が真っ赤に染まる姿は、感動的なものです。
モミジ、カエデなどの葉が広めで秋に紅葉し、冬に葉を落とす樹木を落葉広葉樹と呼んでいます。
これらは屋久島にも自生していますが、森を構成する樹種の割合からすると少ないグループです。
屋久島の森は一年中青々とした葉を茂らせる常緑樹といわれるものを中心に構成されています。
低地ではシイ、カシ、ツバキの仲間などの常緑樹が大半を占め、標高が高い場所ではそれらに加えてスギ、モミ、ツガなど常緑の針葉樹が混在します。
常緑樹が多い屋久島の森では秋に一斉に紅葉する、ということをしないため、屋久島では山一面が赤く染まった景色には出会えません。
その代わり、森の中にぽつりぽつり点在する落葉樹などが赤く色づく姿を見かけることができます。
縄文杉へ向かうまでのトロッコ道ではヤマザクラやヤクシマオナガカエデ、ハリギリなど、黄や赤みがかった落ち葉が足元を彩ります。
▲林床を彩る落ち葉
屋久島の「着生植物」には秋に紅葉する落葉樹も多く、屋久杉のような大木をふと見上げると、そこに色づいた紅葉を見ることもできます。ヤマシグレやナナカマドといった樹種が見られます。着生植物が多い屋久島ならではの光景です。
▲屋久杉に着生して紅葉する木々。
薄暗い屋久島の森の中で、ぽつりぽつりと点在する紅葉はとてもよく目立ちます。
そんな紅葉を見つけると珍しい花を見つけたような嬉しい気持ちになります。
山の朝夕は寒くなってまいりました。暖かい上着を準備してトレッキングをお楽しみください。